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2012年9月 月次レポート(説田英香 ドイツ)

9月レポート
説田英香
派遣先: ドイツ(フライブルク大学)

 報告者は、9月12日から派遣を開始した。派遣先は、ドイツ連邦共和国フライブルク大学、受け入れ指導教員は歴史学部近現代史のウルリッヒ・ヘルベルト教授である。報告者は、東京外国語大学とフライブルク大学での共同学位取得を最終目標としており、博士論文の提出は2014年3月を予定している。本派遣の主な目的は、博士論文執筆に必要となる史料収集である。

 報告者は、本派遣開始以前からフライブルク大学に研究留学を行っており、現地での生活基盤は既に整っていたため、到着後、すぐに研究活動を開始する事ができた。まずは、10月に予定している連邦文書館訪問の準備を行った。そして、到着後間もなくして、ヘルベルト教授との面談が行われた。そこでは8月にベルリン外務省文書館で行った史料収集の調査報告を行い、また、当面の研究計画について指導を受けた。具体的には、文書館で収集した史料の整理と分析の仕方についてアドバイスを受けた。来月の中旬には、コブレンツ連邦文書館での史料収集を予定しているが、その文書館訪問終了後、当面は文書館での史料収集を中止し、これまでに収集した史料をもとに執筆作業を行うよう、指導を受けた。まとめた結果は、中間報告として2013年2月中旬にヘルベルト教授に提出することとなっている。面談後、早速、史料の整理と分析に取りかかった。史料整理としては、エクセルを利用し、収集した史料のリスト作成を行った。成果の割には手間と時間が要される作業であるが、このリストは、今後史料分析を行うに当たっての基本的な指標となるため、避けられないものである。とはいえ、派遣開始以前から徐々に資料整理を行っていたため、コブレンツ文書館でこれまでに収集した史料に関してはほぼ完成させる事ができた。外務省文書館の史料については9月中に整理しきる事が出来なかったため、10月にも引き続き行う。史料分析としては、史料ごとに基本情報(史料の種類、日付、作成者、受取人、キーワード、テーマ等)を記載したカードを作成し、そこに史料の内容を1〜2文程度で簡単にまとめる作業を行った。これはヘルベルト教授に伝授してもらった方法である。最終的にはこのカードを組み合わせたり並び替えたりして、博士論文の内容を執筆していくこととなる。従って、端的に史料内容をカードにまとめることがポイントとなるが、プロトコルなど、情報量が多い史料の場合、はじめのうちは比較的長めになりがちであった。この作業は予想以上に時間がかかり、当初計画していた量を今月中にこなすことができなかった。2月中旬の中間報告に間に合うよう、年中には現在手元にある史料の分析を終了させる計画である。

以上

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