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2012年6月 月次レポート(横田さやか イタリア)

月次レポート 2012年6月 
博士後期課程 横田さやか 
派遣先:イタリア、ボローニャ大学


 今月、演劇専攻に所属する博士課程の学生を対象に、研究の進捗状況報告会が開かれた。博士論文提出を来年に控える学生は、博士論文の構成と執筆状況について、次年度の学生は、博士論文の構想と研究計画について、各々報告書を提出するとともに、口頭で発表を行う。それを踏まえ、博士論文提出時期に間に合うよう順調に捗っているかが審査される。報告者は前者にあたるが、博士論文の目次、章、節ごとの内容の要約と引用または参照する資料のメモ、そして博士論文序章の下書きと、さらに完成している文献表を提出した。あらかじめボローニャ大学の指導教員に面談をお願いし、論文章構成の下書きと文献表に目を通していただき、ご指導を仰いだ。論文計画についてはこれまでも定期的にご指導をいただいているが、今回、より細かく具体的な構成を完成させたことで、主張が単に独自性があるに留まってしまいかねない、やや論理的展開が難しいと思われた箇所について、的確なご指摘をいただき、改良することができた。そして、改善した目次、構成を本学の指導教員にもご報告した。ちょうど来伊された折りにお時間をとっていただきご指導を仰ぐことが叶い、こうして両指導教員に進捗状況をご報告できたことは、いざ博士論文の執筆に本腰を入れるにあたって大きな励ましとなった。報告会では、指導教員のほか、コーディネーターとして演劇専攻をとりまとめるマルコ・デ・マリニス教授からも、論文の内容について質問や、報告者の論文の特徴となる考察点についてコメントをいただくことができ、無事に審査を通過した。また、さらに達成感を得られたことは、博士課程の他の学生と自身の研究テーマについて話をしたことである。それぞれに優秀な学生が集まり切磋琢磨する環境では、余所からきたものがすぐに認められるというのはなかなか難しいことである。しかし、今回博士論文の執筆内容を具体的に報告したことによって、その後、他の学生から質問をされたり、互いの研究テーマに共通する点について話したりし、良い刺激となった。
 さて、ボローニャにはすでに猛暑が訪れ、月末には最高気温が40℃に達するとの予報も出た。北イタリアに位置するボローニャだが、地形的な特徴のためか、全国予報を見ると、国内でもっとも高い気温が予想されているときもあり、猛暑との戦いがすでに始まっている。自宅はもちろん図書館や学習室ですら空調設備の整っているところは少ないため、集中して論文執筆に取り組める環境を得られるよう工夫していかなければならない。

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