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2012年5月 月次レポート(佐藤貴之 ロシア)

活動報告書(5月)

執筆者:佐藤貴之
派遣先:ロシア国立人文大学

 今月は博士課程で最終審査へのパスをもらう上で必要となる外国語と哲学の試験を受け、無事合格した。内容としては以下のとおりである。
 外国語:大学院研究会でのプレゼンテーション、筆記試験、大学院紀要へ論文の提出。
 哲学:研究ノートの提出、口頭試問。

 外国語の研究報告では「自然発生的な現象としての十月革命受容の問題――プラトーノフとピリニャーク――」のタイトルでプレゼンを行い、清聴していただくとともに、非常に有意義な議論を行うことが出来た。これまで御指導いただいたロシア語研究センター所長のヴァレンチーナ・トルファーノワ教授には深く感謝する次第である。
 筆記試験では、いくつかの記事と論文が課題として与えられ、それらの要約を厳しい制限時間の中で作成するというものであった。高度な論文が提示されたが、努力のかいもあり五段階評価で五の評価を頂戴できた。
 大学院紀要には研究報告で使用した論文「自然発生的な現象としての十月革命受容の問題――プラトーノフとピリニャーク――」(ロシア語)を提出した。刊行は来年と聞いている。
 哲学の試験は研究ノートの提出と口頭試問からなるが、前者は「シュペングラーとソヴィエト文学」で提出。口頭試問では、ロシア思想史におけるスラヴ派を代表する思想家N・ダニレフスキーとK・レオンチエフ、ならびにロシア・シンボリズムの先駆けともいえる思想家V・ソロヴィヨフの哲学体系に関して答えることが求められた。こちらも無事、合格することが出来た。
 これらの試験をすべてクリアし、今学期の学業は修了となる。ロシア語はある程度の基礎があったものの、哲学の口頭試問をロシア語で受ける土台を作るために相当の労力を費やした。非常にやりがいのある試験であった。
 来年は専門試験(文学)、ならびに博士論文の予備審査を受ける予定である。引き続き、博士論文の脱稿を目指し、尽力していきたい。

 
以上。

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