トップ  »  新着情報  »  2011年10月 月次レポート(横田さやか イタリア)

2011年10月 月次レポート(横田さやか イタリア)

月次レポート 2011年10月 
博士後期課程 横田さやか 
派遣先:イタリア、ボローニャ大学

 残暑が長く続いたボローニャでは、10月の中旬にさしかかってようやく気温が下がり、今年は秋を通り越して突然冬が訪れたかのようである。急な気温の変化に備え体調管理に気を配りながら、今月もまた充実した研究生活を送ることができた。
 まず、2010-2011年度を締め括る研究成果報告会が開かれた。研究の進捗状況の報告を無事に遂行し、ボローニャ大学大学院博士後期課程、映画・音楽・演劇専攻での一年目を終了した。研究成果報告の準備段階ではボローニャ大学指導教員にあらかじめ面談をしていただき、今後の予定も含め改めてご報告しご指導を仰いだ。同時期に、イタリア各地でのシンポジウムや講演の合間にボローニャに立ち寄られた本学における指導教員にも面会することができ、二年目を開始するにあたりたいへん強く励まされた。
 今月から大学院のセミナーも再開された。舞台衣装、映画衣装研究の第一人者であるパオラ・ビニャーミ教授による「舞台衣装を学ぶ」というテーマのセミナーでは、報告者の研究テーマを考慮して、未来派が服飾史にもたらした改革の重要性などについても言及してくださった。かつて、このような恵まれた機会を得られるとは夢にも思わなかった頃、ビニャーミ教授の著書を頼りに舞台衣装史を学んだ報告者にとって、有益である以上に直接ご指導をいただく機会をいただけたことがたいへんありがたく、感慨深い講義であった。
 そして、舞踊を専門とする研究者らによる研究会「ダンスと研究」に今月も出席した。現在、本研究会では舞踊に関する出版物を対象とした広範囲にわたる文献表の作成に取り組んでおり、報告者は、日本における出版物について担当させていただくことになっている。
 また、ボローニャ大学指導教員よりご指示をいただき、「オープン・アクセス国際週間」と題された講演会に参加した。スペインのある調査機関によって実施された、学術文献のオープン・アクセス推進を目的とした調査によると、ボローニャ大学はイタリア国内で最もウェブ媒体を駆使した学術的パフォーマンスに優れた大学としてランキングされている(参照:The Ranking Web, http://www.webometrics.info/index.html)。この講演会を通して、大学の運営する学位論文投稿サイトの利用方法などテクニカルな問題の他、研究論文発表の媒体としてオンライン・ジャーナルをいかに活用していくかといった問題など、学術情報流通をめぐる現状についての知識をグローバルな視点で得ることができた。
  来月も引き続き大学院のセミナーに出席しつつ、論文執筆を進めていく予定である。

このページの先頭へ