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2011年10月 月次レポート(小久保真理江 イタリア)

ITP 10月報告書


小久保真理江

 今月初めには、ボローニャ大学の指導教員に面会し、大学の夏期休暇中に電子メールで送った論文の原稿についてコメントをいただきました。今回見ていただいたのは、パヴェーゼの詩集『働き疲れて』の登場人物に見られるアメリカ文学・映画の影響を論じた部分で、博士論文の第三章第一節にあたります。同様のテーマについて書いた原稿を前回指導教員に見ていただいた際には厳しい批判を受けたのですが、構成を変更し大幅に書き直したところ、今回はよい評価がいただけ、大変安堵しました。書き直しの作業に予想以上の時間がかかってはしまいましたが、指導教員に批判を受けた点に注意しながら、時間をかけて執筆と推敲を重ねることにより、目指すべき論文の形をより具体的に理解することができました。また、指導教員に原稿を提出する前に、ボローニャ大学のコランジェロ先生や友人など複数の方々の添削を受けたため、論文に相応しいイタリア語の表現についても多くを学びました。
 面会の際には今後の執筆計画についても指導教員に相談し、一部変更を加えた新たな構成を見ていただきました。また月半ばにはイタリアに短期滞在された東京外国語大学側の指導教員にも会い、現在の状況を報告するとともに今後の計画について相談することができました。
 先月に博士論文の第一章第一節の執筆を終了したため、今月はそれに続く第一章第二節の執筆に取り組みました。この節では、パヴェーゼとアメリカ文学の関係についての先行研究の展開を年代順に記述します。1941年から2011年まで、時代背景とも関連付けながら各時代の代表的な研究に言及し、先行研究における傾向や重要な論点を明らかにすることを目標に執筆を進めました。この部分の執筆は来月前半に終了し、ネイティブチェックを受けた上で指導教員に提出する予定です。
 また今月下旬には、論文の第一章第一節の加筆修整も行いました。この部分は先月末に執筆を終了していましたが、博士課程の友人に読んでもらったところ、イタリア語の表現だけでなく、注の付け方や、加筆すべき箇所についても細かな指摘を受けたため、その助言に従って加筆修整を行った上で、新たな原稿を指導教員に提出しました。来月上旬に指導教員に面会する際にはこの原稿について意見をいただく予定です。

 

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