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2010年12月 月次レポート(石田聖子 イタリア)

月次レポート
                           (2010年12月、博士後期課程 石田聖子)(派遣先:ボローニャ大学 [イタリア])

 今月9、10日には、先月より発表準備を行ってきたシンポジウム「Culture allo specchio -studi di geocritica e letteratura tra il Giappone e l'Europa/文化的鏡像の諸相 地理-批評学/文学の考察 日本とヨーロッパ」が、東京外国語大学(ITP若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(非英語圏ヨーロッパ諸国:TUFS-ITP-EUROPA))とボローニャ大学との共催で、ボローニャ大学にて開催された。派遣者は、10日の午前中に設けられた「第二部:ITP大学院若手研究者による研究発表」にて、「Da Perelà a Totò ―Sulle forme del comico nella cultura italiana del Novecento/ペレラからトトへ ―20世紀イタリア文化における笑いの諸相」という表題のもとに発表を行った。発表に際しては、ディスカッサントを本学指導教員の和田教授が、コメンテーターをボローニャ大学指導教員のマンゾリ教授がそれぞれ務めてくださり、講評、及び、助言をいただくことができた。口頭発表の仕方をはじめ個人で反省すべき点こそ少なくないながら、発表を終えてみて、今回の機会を得て自身の研究成果をひとつのかたちに結実させたことは、これまでの活動を総括しながら今後の研究を見通すうえでの重要な基点となったことを実感した。また、公的な場で、両指導教員をはじめ派遣者の研究を支援してくださっている事務局の方々を前にして研究発表を行う初めての機会であったことに加え、他国でそれぞれのテーマをもって同じプログラムに挑む仲間と交流する機会を得られたことは、研究上はもとより、精神的にも大変に良い刺激となった。この派遣プログラムに参加させていただいていることはもとより、今回の発表という貴重な機会を与えてくださったことに、関係者の皆様には改めて心から感謝いたします。
  さて、シンポジウム終了後は、博士論文作業に専念してあたる日々を送った。月半ばには、かねてより執筆を行ってきた論文第三章にあたるパラッツェスキ論の執筆を終了し、ただちに、つづく第四章の執筆準備を開始した。この章ではイタリア20世紀を代表するユーモア作家アキッレ・カンパニーレ(Achille Campanile: 1900 (?)-1977)を中軸とし、主に笑いの文学特有の修辞や論理をめぐり考察を行う予定である。現在は専らカンパニーレの著作、及び、批評記事の精読を行いながら、カンパニーレを中心的に扱った拙著修士論文をもとに、論文の構成を練っている。

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                                     シンポジウムにて、派遣者発表時の様子。

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