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2010年11月 月次レポート(小久保真理江 イタリア)

月次レポート(11月)
                                                                小久保真理江


  ボローニャは今月秋らしい快適な気候が続いてましたが、月末になって急に冷え込み、冬が到来しました。今年の初雪を窓越しに眺めながらこの月次レポートを書いています。
  今月初めには学年末報告書の作成を行いました。ボローニャ大学イタリア文学科の博士課程はこの時期が学年末となるため、毎年11月に次年度への進級や論文提出資格の可否を決定する会合が開かれます。会合の形式は各学科によって様々のようですが、私の所属するイタリア学科では、大学院生が各自あらかじめ一年間の研究成果と今後の見通しについての報告書を提出し、それをもとに教授たちが話し合う形で行われます。会合の結果、私も含めて一年生と二年生は全員の進級が認められ、最終学年の大学院生には来年度の論文提出資格が認められました。
  また、今月はイタリア文学科の博士課程で「doppio」をテーマにシンポジウムが開かれ私も聴衆として参加しました。「doppio」とは英語で言えば「double」、日本語では文学のテーマとしては通常「分身」と訳されますが,イタリア語の「doppio」はもともと「二倍」「二重」などの意味を持つ言葉です。シンポジウムにおける参加者の発表内容も日本語の「分身」という言葉ではまとめられない広がりを持っていました。
  来月(12月)にはボローニャ大学にて開催される国際シンポジウムに発表者として参加するため、今月後半はその原稿執筆に集中的に取り組みました。執筆の前にあらかじめロレンツィーニ教授とコランジェロ教授に発表の計画書を見ていただき、参考文献や書き方についての二人からのアドバイスを生かしながら、執筆を行いました。来月のシンポジウムではチェーザレ・パヴェーゼの映画評を分析し、映画がパヴェーゼの詩に与えた影響にについて考察する予定です。

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