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2009年9月 月次レポート(石田聖子 イタリア)

月次レポート
                               (2009年9月、博士後期課程 石田聖子)
                                  (派遣先:ボローニャ大学 [イタリア])

 今月より、イタリアはボローニャでの留学生活を開始した。これより、東京外国語大学とボローニャ大学間で締結された共同学位取得制度に則り、ボローニャに拠点を置き、指導を受けながら、博士論文の執筆にあたる。
 今月は、まず、長期生活に耐えうる生活及び研究環境の整備に努めた。具体的には、大学への登録をはじめ、携帯電話や生活必需品の購入、インターネットの開通、銀行口座の開設、各種定期券、施設利用カードの作成、滞伊外国人に携行が義務付けられている滞在許可証の申請等を行った。また、市内の主な図書館が平日20時には閉館し、また、週末も利用ができないという事情から、在宅でも充分な研究活動を行える物件を探した。毎年、世界中から多く学生が集うために、完全な売り手市場であるボローニャでの住宅事情は予想以上に厳しく、家探しは難航を極めたが、月末に至り、理想的な物件を確保することができた。
 また、到着後は、事前にメールにてアポイントを取っておいたボローニャ大学での指導教員であるGiacomo Manzoli(ジャコモ・マンゾリ)教授のもとへ挨拶に赴き、ボローニャ大学での研究遂行上有益な情報に関して丁寧な指導を受けた。指導は、一般的なイタリアの博士課程在籍者の生活及び研究事情、大学図書館利用法、大学が所有する視聴覚教材へのアクセス方法から、今月末より順次開講される数多の講義のうち、派遣者の研究上有益な講義選択のアドバイス、また、挨拶時に持参した論文構想に関する覚え書きをもとにした今後の展開の方向性に関するアドバイスにまで及んだ。その後、これまでにイタリア語で執筆した論文、より詳細な研究計画を送付し、近く、それら資料をもとに、より具体的な研究計画について指導を受けるべく面会を予定している。
 ボローニャ大学は、開学を遠く1088年にまで遡る、ヨーロッパ最古の総合大学として知られ、現在に至るまで(上記の通り)世界中から学生が集い、研鑽を積んでいる。町なかでも学生の姿は多く、また、目立ち、加えて、市による図書館ガイドの発行や、学生が多く集まる地区での無料ワイヤレスインターネット通信サービスといった学生向けのサービスも充実している。そのためか、研究上心地良い刺激が町じゅうに満ちているように感じる。新しい研究活動の拠点としては、間違いなく、理想的な環境といえる。

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