TUFS Cinema オセアニア映画・ドキュメンタリー 2作品同時上映
『クラ――西太平洋の遠洋航海者たち』『女の島 トロブリアンド』

東京外国語大学TUFS Cinemaは、映画を通じ、世界の諸地域における社会・歴史・文化の理解を深めることを目的として行われています。パプアニューギニア島嶼部にあるトロブリアンド諸島は、民族学者マリノフスキーによるフィールドワークと民族誌により一躍有名になりました。今回のプログラムは文化人類学を越えて思想的に大きな影響を与えたクラ交易及びトロブリアンド島社会の女性の生活に焦点を当てた2作です。

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開催情報

日時  2024年5月12日(日)13:30開映(13:10開場、17:00終了予定

会場  東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール

プログラム

  • 映画①『クラ――西太平洋の遠洋航海者たち』本編上映:66分
    映画②『女の島 トロブリアンド』     本編上映:50分

  • 上映後解説/トーク 市岡 康子(本作ディレクター)
              栗田 博之(東京外国語大学名誉教授)

  • 司会 山内 由理子(東京外国語大学 大学院総合国際学研究院 准教授)

その他  入場無料、事前登録制(先着500名)、一般公開

主催:東京外国語大学TUFS Cinema
協力:日本オセアニア学会
   東京外国語大学多言語多文化共生センター

事前登録フォーム

事前登録制での開催となります。

登録フォーム
https://sanda.tufs.ac.jp/event/tc240512form/

※ フォーム登録後に登録メールアドレスに受付完了メールが届きます。当日、入口にて受付完了メールをご提示いただきますので、ご準備くださいますようお願い申し上げます(スマホ画面で問題ありません)。

※ 事前登録がなくてもご来場いただくことは可能ですが、会場入口で参加登録をしていただきますので、事前にご登録いただくとスムーズにご入場いただけます。定員を超える場合は、事前登録を済ませた方を優先させていただきます。

作品紹介

『クラ――西太平洋の遠洋航海者たち』

プロデューサー 牛山 純一
ディレクター  市岡 康子
撮    影  影山 雅英・西山 東男
編    集  池田 龍三
音    響  森本 喬雄・木村 哲人
作    曲  佐藤 勝
ナレーター   久米 明
製    作  日本テレビ・映像記録
1971年/日本/66分/日本語

『女の島 トロブリアンド』

プロデューサー 牛山 純一
ディレクター  市岡 康子
撮    影  河内 豊英・宮本 征治
編    集  池田 龍三
音    響  森 拓治・木村 哲人
ナレーター   久米 明
製    作  映像記録
1976年/日本/50分/日本語



あらすじ

『クラ――西太平洋の遠洋航海者たち』

クラ航海の出発の朝、シナケタ村の海岸に9隻のカヌーが押し出される。トコヴァタリヤはカヌーに「空飛ぶ魔女からカヌーを見えなくする呪術」を施す。南に向かう船団は途中荒れた海も航行するが、この時も含め彼は遠征中9種の呪術をかけた。8日目にボワヨワ半島につき、ドレスアップして交換相手の村に乗り込むが、受け取るはずのバギはまだ到着していなかった。まだ三つ先の島にとどまっていたのだ。待つこと50日、やっとパートナーを説得してバギを手に入れる交渉が始まる。

『女の島 トロブリアンド』

7月は贈与相手に芋を運ぶ季節だ。高位の首長に芋を贈る日、村中の若い男女が伝統衣装をまとい、少女は芋を頭にのせ、少年は籠を担いで運ぶ。首長の村に着くと芋を円錐形に積み上げ、少年少女はモエキを歌い踊り、訪問先の若者たちを誘う。この季節はムワサワ(幸せ)と呼ばれる無礼講の時期で、特に未婚の男女は性的に自由にふるまえる。一方、母方のオジから芋を受け取っていた女はオジの死から5か月余り、バナナの葉からカスタムマネー・ドバとスカートを作り、終結の儀礼に臨む。



本作について

『クラ――西太平洋の遠洋航海者たち』は、マリノフスキーの著作の中でもっとも有名な「西太平洋の遠洋航海者」に触発され、出版後49年目の1971年に、現実に行われたクラ航海を映像化したものである。クラはニューギニア本島の東海上に散らばるマッシム地域の島々の間で行われる儀礼的な交換で、対象は赤い貝の首飾りバギと白い貝の腕輪ムワリである。バギとムワリは島々の間を反対方向に回ってゆく。個人的に所有されることのない二つの品は、人々の手から手へ渡ってゆくことに意義があると思われた。本作ではトロブリアンド諸島のシナケタ村が9隻のカヌーからなる船団を組み、クラの相手の住むファーガソン島ボワヨワ半島へ向かう遠征に同行した。長老トコヴァタリヤはクラの呪術を行い、生涯にわたるクラの思い出を興趣豊かに語る。当時としては異例の同時録音の多用により、クラにかける島人の情念が描き出されている。1972年ベニス国際民族誌フィルムフェスティバル、ファイナリストに選出された。

トロブリアンド諸島は母系制の島として名高い。「クラ」は男性だけが行う遠征だが、『女の島 トロブリアンド』は母系の贈与関係のシステムと女性の日常の暮らしに焦点をあてている。島の主要作物はヤム芋だが、耕作した男の所有にはならない。母系のラインを通じて姉妹、姪などの配偶者に贈り、自分は妻の兄弟やオジからヤムを受け取るという贈与関係で結ばれている。贈る相手が首長であれば、村を挙げて芋運び(ゴゲビラ)を挙行する。受け取り手の女性は、芋を贈ってくれた男が死ぬと、一定期間喪に服し、その後喪明けの式リサラダブを開かなくてはならない。母系でつながった一組の男女の贈与関係の終結である。 (市岡 康子)

上映後トーク

市岡 康子 ICHIOKA, Yasuko

本作制作ディレクター

プロフィール
1939年、中国長春生まれ。東京都立大学人文学部卒業。1962年、日本テレビに入社。テレビ・ドキュメンタリーの草分け的番組である「ノンフィクション劇場」の制作グループに加わり、そのプロデューサーであった牛山純一氏のもとで番組制作をはじめる。1966年から90年まで放送した「すばらしい世界旅行」ではプロデューサー、ディレクターとして、主にアジア太平洋地域の生活文化を民族誌的な視点から記録し、『クラ ― 西太平洋の遠洋航海者』(1971)は、このシリーズを代表する作品となった。元立命館アジア太平洋大学教授。



栗田 博之 KURITA, Hiroyuki

東京外国語大学名誉教授

プロフィール
1954年、神奈川県生まれ。東京外国語大学名誉教授。日本オセアニア学会会長。専門は文化人類学、研究対象地域はパプアニューギニア南部高地周縁部。主な論文に「赤ちゃんはどこから来るの?」(1993)、「ニューギニア『食人族』の過去と現在」(1999)など。

保育所のご案内

TUFS Cinema上映の間、2022年9月に東京外国語大学国際交流会館前に開園しました「PAL国際保育園@東京外大」にて一時保育のご利用が可能です。
PAL国際保育園@東京外大:https://seiwagakuen.ed.jp/pal/

一時保育をご希望の方は、以下のウェブページからお申し込みください。
一時保育申込:https://hirogariclub.studio.site/ichijihoiku

※事前に簡単な書類の提出とお子様の様子をお伝えいただく園児面談(オンライン可)がございます。

保育所の利用可能時間は月~土の7:00-19:00までです。
19:00以降に終了する上映会や、日曜に開催する上映会につきましては、
保育所をご利用いただけませんので、予めご了承ください。

【お問い合わせ先】
PAL国際保育園@東京外大
月~土 7:00~18:30
電話番号:042-306-9955
mail:paltufs@seiwagakuen.ed.jp
担当:杉田

会場のご案内

◆〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1

◆JR中央線「武蔵境」駅のりかえ  西武多摩川線「多磨」 駅下車  徒歩5分
(JR新宿駅から約40分)

◆京王電鉄「飛田給」駅北口より多磨駅行き京王バスにて約10分 「東京外国語大学前」下車

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お問合せ先

月~金 9:00 ~ 12:00、13:00 ~ 17:00
祝日・一斉休業期間(夏季・冬季一斉休業など)を除く

東京外国語大学 広報・社会連携課 TUFS Cinema 事務局

TEL: 042-330-5441 
Email: tufscinema[at]tufs.ac.jp([at] を @ に変えて送信ください)
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1

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