南アジア研究センター2022年度第2回研究会 インド学とジェンダー

日 時 : 2022年10月15日(土)13:00-16:00

場 所 : オンライン(ZOOM)

報告者

横地優子(京都大学)

女神信仰とジェンダー:ラッジャー・ガウリーを中心として
Goddess Worship and Gender, with a Special Case of Lajjā Gaurī

本報告ではまず、最近出版された岩波講座世界歴史第4巻に含まれている拙論「女神信仰とジェンダー」をもとに、南アジア中世において女神信仰が台頭したメカニズムを、ジェンダーの視点を含めて概観する。その後、ボロンの研究に基づき、一般にラッジャー・ガウリーと呼ばれ、出産の守護女神と考えられている女神を取り上げる。この女神の神像はその多くが中世に作製され、南アジアの様々な地域に伝えられているため、中世においてその信仰はかなり広がっていたと思われるが、現存するサンスクリット文献に記述を見つけることができない点で特殊である。この特殊性がどのような原因に由来するのか、上記のメカニズムとどのように関係するのか、しないのかを検討したい。

天野恭子(京都大学)

子供の誕生を巡る神話から見る古代インドの結婚
Marriage in Ancient India as Seen through Myths about the Birth of Children

この報告では、主に紀元前9~7世紀の成立と推定されるマイトラーヤニー・サンヒター、その成立時に宗教的背景となっていた紀元前15~12世紀成立のリグヴェーダを扱う。それらの文献に見られる神話には、子供の誕生を巡る、母親、父親、兄弟の葛藤が語られている。そこには、婚姻が制度として成立していない社会のありようが垣間見える。

参加方法

参加ご希望の方は、以下のフォームに必要事項を記入の上、10月13日(木)までに送信してください。https://forms.gle/jyuUQnh2PUKqryaH6

主 催

科研・基盤研究(B)「『感情』の視角から南アジア研究を再考する」(代表:粟屋利江)、AA研共同利用・共同研究課題「南アジアの社会変動・運動における情動的契機」、東京外国語大学南アジア研究センター

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