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現在私が所属している北京林業大学は中国の重点大学で教育部(日本の文部省に当たる)の「211」プロジェクトに入っています。現在、学生数13,000人、教員1,200人という総合大学へと発展しつつあります。大学で日本語を専攻とする学部一年から四年までの100名の学生を対象に教えております。主な担当科目は日本文学、日本概況、中日翻訳教程、基礎日本語教程などです。
研究も着実に進んでおります。発表した論文や編著した辞典や教科書も国内外で幸いなことに好評を得るに至りました。中日文化交流の促進にも力を入れております。
今日の仕事は東京外国語大学大学院の修士課程、日本言語文化コース及び博士課程地域文化専攻で習得したものをベースにしております。特に日本語の知識を着実に学んだこと、日本の古典作品を着実に読み解いて来たこと、及び指導教授に厳しく叩かれて日々研究に没頭して切磋琢磨していたことに拠ったと存じます。修士論文は「『源氏物語』における明石君の人物造型」、博士論文は「源氏物語探求―物語のトポロジーとヒロインたちの栄華」を完成しました。
大学院で勉学した当時を思い出すと、感慨無量です。私が勉強したのは日本言語文化コースで、外国からの留学生が多かったです。日本のほか、中国、韓国、インド、ルーマニア、フランス及びアメリカなどの七・八カ国の国籍を持つ学生が一堂に集まり、日本文学文化についていろいろと議論したことはとても珍しい光景であり、外語大ならではの特色でしょう。自国の文学の知見を生かした上での議論なので、お互いに刺激しあって新しいアイディアがいろいろと芽生えました。とてもオープンな学術的雰囲気のもとで、大学院終了の時点では、みんな十分に鍛えられ、日本の最高レベルの学会で研究発表したり、論文を書いたりして、一人当たり4本以上の論文を書きました。日本人研究者にとっても審査の厳しい学会で私たちは次々と研究発表したりしました。快挙でした。
東京外国語大学の大学院の教育精神は私たちを育んでくださいました。母校の先生の方々に改めて御礼を申し上げます。長い間、大変お世話になりましてどうもありがとうございました。 |
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