氏名 狩野 キャロライン エリザベス
(KANO, Caroline Elizabeth)
所属 世界言語社会教育センター(欧米第一課程 英語専攻)
職名 客員教授 (元 島根県立大学短期大学部総合文化学科 教授)
E-mail ckano@
専門日英比較表現研究、英語教育
自己紹介  英国ロンドン生まれの私ですが、子供の頃から「言語」、或いは「言葉」というものに対して、ずっと興味がありました。学生時代には、非英語圏の様々な国を旅したり、色々の文化に触れたりしました。特に東洋に憧れ、大英博物館で東洋書物関係のアルバイトをしたことがありますし、大学(SOAS)での専攻も中国語でした。SOASでは様々な言語や文化に囲まれて学生生活を送ったので、外語大の豊かな多文化の学問的環境には、大変親近感を覚えています。母校と外語大が協定校同士であることにも不思議なご縁を感じています。
 母語である英語にも関心がありましたが、英語の教師として来日以来、日本語と英語の違いに興味が湧き、日英語の比較研究をするようになりました。小説や詩を書くことも好きなので、なかでも日本の文学作品や歌(詩)の翻訳が、自然と中心的な研究テーマになりました。
 日本語の独特な曖昧さ (例えば、主語は殆ど言わない、単数形と複数形の区別はあまりしない、時制ははっきりしない場合がある)は言うまでもないですが、特に興味深く思うのは、「言葉」と「文化や社会的背景」の密接な関係です。日本文化や社会の中では当たり前なのに英語圏には対応するものがない事物に対する表現や、非常に日本的な発想に基づく表現、数多くの擬声語・擬態語など、伝統や習慣は違っていても、同じ感情を持つはずの人間なのに、英語圏の世界では、日本語と同じ意味やニュアンスを持つ表現が存在しないことは多いものです。これらの表現を英語に訳すにはどう工夫すればよいのか、興味が尽きません。更に、日本語の詩を正しく解釈した上で、日本的なフィーリングを残しながら、朗読しても響きが美しく聞こえる英詩に訳すのにはどうすればよいのかも、挑戦に値する課題だと考えています。
 私が担当する授業では、英語によるコミュニケーション・スキルの養成を目指すことはもちろんのことですが、この素晴らしい「言葉」というものを考える喜び、文化の違いを発見する幸せや意義を、学生さんたちに知ってもらうように努めています。
学歴 1970年10月~1974年6月:ロンドン大学アジア・アフリカ研究学部(School of Oriental and African Studies (SOAS))中国語学中国文学科

1982年5月~1983年3月:広島大学文学部 研究生
(中国語学中国文学、日本語学日本文学)

1983年4月~1985年3月: 広島大学文学部中国語
中国文学科博士課程前期課程(文部省奨学生)

1998年4月~2004年 3月: 英国国立シェフィールド大学
東アジア研究所大学院 ディスタンス・ラーニング・センター (The University of Sheffield, School of East Asian Studies) 日本研究修士課程
取得学位 1974年8月 文学士 (B.A. Hons.) ロンドン大学 (SOAS)

1978年 6月: ロンドンInternational House T.E.F.L.
(外国語としての英語教授法)資格取得

1985年3月: 文学修士 広島大学

2004年12月: 文学修士 シェフィールド大学
現在の担当科目学部 欧米第一課程 英語専攻 
英語Ⅰ: Academic Writing
英語表現演習: 日本の文学作品の英訳
学部 副専攻
英語A: English Production Skills
英語B: 日本の文学作品の英訳
英語C: Oral Communication (教職必修科目)
最近5年間の研究 ここ5年間は、日英比較表現研究の範囲の中、主に和英辞典及び英和辞典に関わる校閲・専門執筆・編集の仕事をさせて頂きました。また、和英辞典のコラムともなった、本来の研究である日本の歌の英訳及び解釈の課題も続けて取り組んでいます。
主要研究業績 「日英語の表現と語感」『島根県立女子短期大学紀要29号』
(共著)1991年 

「日英語の表現と語感2」『島根県立女子短期大学紀要30号』
(共著)1992年

「日英語の表現と語感3」『島根県立女子短期大学紀要31号』
(共著)1993年

『実用中国語基礎テキスト「石井くんの北京3週間」』(CD付)
(共著)2001年、南雲堂

Izumo-jin ― The People of Izumo ― (Archetype of the Japanese Consciousness) [『出雲人』藤岡大拙 著 の英訳] (共訳) 2002年、ハーベスト出版

「「日本歌曲」の4代表作の歌詞の英訳及文化的背景の解釈」
『島根県立女子短期大学紀要41号』2003年

「「日本歌曲」の5代表作の歌詞の英訳及文化的背景の解釈」
『島根県立女子短期大学紀要42号』2004年

「「日本歌曲」の3代表作の歌詞の英訳及文化的背景の解釈」
『島根県立女子短期大学紀要43号』2005年

『オーレックス英和辞典』校閲・専門執筆、2008年、旺文社

『オーレックス和英辞典』編集委員及びコラム「日本の歌」
英訳担当、2008年、旺文社

‘The Fascination of Language and Culture’, Argument, 2008年 第2号, 旺文社

‘ The Exciting Challenge of Poetry and Song’, Argument, 2008年 第2号, 旺文社

‘Behind the Songs 1’, Argument, 2009年 第1号, 旺文社

‘Behind the Songs 2’, Argument, 2009 年 第2号, 旺文社

‘Behind the Songs 3’, Argument, 2010 年 第1号, 旺文社

‘Behind the Songs 4’, Argument, 2010 年 第2号, 旺文社

‘Song Translation as a Means to Creative and Effective English’, Argument, 2010年 第2号, 旺文社

‘Behind the Songs 5’, Argument, 2011年 (春), 第1号, 旺文社

‘A Consideration of Some Differences in Japanese and British Society - With Reference to the Translation of Contemporary Japanese Literature', エッセイ連載 (2011年4月~2012年3月),『英語教育』, 大修館

「日本の歌」 英訳連載 O-LEX和英辞典 ブログ, 旺文社

‘Behind the Songs 6’, Argument, 2011年, 第2号, 旺文社

『英文法導入のための「フォカス・オン・フォーム」アプローチ』 高島 英幸 編著 大修館書店 2011年1月:英文校閲

『プロジェクト型外国語活動音展開』 東野 裕子、高島 英幸 共著 高陵社書店 2011年4月:英文吹き込み及び英文校閲

『ニュー エクスプレス イギリス英語 CD付き』 古家 聡、アン・C・イハタ 著 白水社 2012年1月:英文吹き込み

「日本一頭脳王」 日本テレビ 2011年12月:英語質問解説者として出演

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