パキスタンへ行こう!

パキスタンへの渡航 0.<<重要>> 渡航を考える際に
 パキスタン情勢は、2013年6月時点で、安定しているとは言えません。したがって、渡航を考える場合は、渡航しようとする地域の治安情勢等に関する最新情報を、必ず確認して下さい。その際に参考となる情報として、以下のサイトがあります。

外務省 海外安全ホームページ:パキスタン

1.ビザ(査証)
 観光目的でパキスタンへ行く場合、出発前に必ず有効なビザを取得しておく必要があります。ビザ申請に必要書類等は、頻繁に変更されているので、最新の情報については、在京パキスタン大使館に尋ねて下さい。
 大阪には、在大阪パキスタン総領事館がありますが、2013年6月現在、査証業務は行っていません。
 留学の場合も、必要書類が異なるので、必ず下記ウェブサイトで最新情報を確認して下さい。
 在京パキスタン大使館の連絡先は以下のとおりです。
 〒106-0047 東京都港区南麻布4-6-17
 電話:03-5421-7741 (代表)
 ウェブサイト(英文のみ)は、こちらです。各種申請用紙も、ダウンロードできます。


2.入国の手段と経路
 日本から空路でパキスタンへ向かう場合、直行する方法と、第3国を経由する方法があります。
一番時間がかからない方法は、成田空港からパキスタン国際航空(Pakistan International Airlines)でイスラーマーバード、カラーチー、ラーホールへ向かう方法です。乗り換えなしの直行便が週4便運行されています。
 第3国を経由する場合、比較的計画が立てやすいのは、タイ国際航空(Thai International Airways)を利用する方法です。バンコクでの乗り換えが必須です。日本では、成田空港以外にも、羽田、関西、中部などに乗り入れており、バンコクからパキスタンへは、カラーチー、イスラーマーバード、ラーホールの3都市への便があります。カラーチーで入国し、ラーホールから出国する、ということも可能です。

パキスタンの基本情報 1.時差
4時間(日本の正午は、パキスタンでは朝8時です)
過去数年は夏時間を採用していたこともありましたが、2012年は採用されませんでした。夏時間が採用される場合、時差が3時間となります。

2.気候
日本と大きく異なります。国土が広いので、北部と南部、北方の山岳部でそれぞれ異なりますが、平野部では、おおよそ以下のとおりです。
4~6月:酷暑期(首都イスラーマーバードや、パンジャーブ州の州都ラーホールなどでは、最高気温が45℃くらいになります。湿度は低く、乾燥しています。)
7~9月:雨期(2010年、2011年にはスィンド州を中心に大洪水に見舞われ、大きな被害が出ました。)
10~3月:乾期(比較的活動がしやすい時期です。首都イスラーマーバードでは、最低気温が0℃以下になることもあります。)

3.言語
 パキスタンの国語(national language)はウルドゥー語、公用語(official language)は英語です。
都市部では英語が通用すると考えて差し支えありませんが、ウルドゥー語で話す方が、いろいろなことがスムーズに運びます。
 上記とは別に、各州には州の公用語が決められています。パンジャーブ州、ハイバル・パフトゥーンフワー州、バローチスターン州ではウルドゥー語が、スィンド州ではウルドゥー語とスィンディー語が州の公用語と定められています。
 また、それぞれの州では、民族ごとに異なる言語が話されています。パンジャーブ州では、パンジャービー語やサラーエキー語、ハイバル・パフトゥーンフワー州では、パシュトー語やバローチー語、ハザーラギー語、バローチスターン州では、バローチー語やブラーフィー語、スィンド州では、スィンディー語というぐあいです。ヒマーラヤー山脈、カラーコルム山脈が連なる北方地域では、カシミーリー語やシナー語、ブルーシャスキー語、コワール語などの言語が話されており、『言語のるつぼ』とも言える状況です。
 ウルドゥー語やパンジャービー語、スィンディー語など多くの言語は、現代インド・アーリヤ諸語(Modern Indo-Aryan Languages)に属しますが、それ以外にも、ドラヴィダ諸語(ブラーフィー語)、シナ・チベット諸語(バルティ語)、系統不明語(ブルーシャスキー語)なども話されており、言語に関心がある人にも非常に興味深い国と言えます。 このように言語を取り巻く状況が複雑なパキスタンでは、ウルドゥー語が、国民をつなぐ連接言語(link language)としての重要な役割を果たしています。

4.宗教
 パキスタン憲法で定められた国教はイスラームです。同時に、信仰の自由が憲法で保障されています。全人口の約97%がムスリム(イスラーム教徒)です。残りの約3%は、ヒンドゥー教徒、キリスト教徒、仏教徒などです。
 ムスリムのうち、約80%がスンナ派、約20%がシーア派です。旅行中、1日5回の礼拝(ナマーズ)や、断食(ラマザーン)などの宗教行事に遭遇した場合は、それを敬うべきです。また、男女ともに、旅行中は夏であっても、体型がわかる服装や、肌の露出が多い服装は避けるべきです。

5.食事
 ムスリムの食事は、ハラール(浄)とハラーム(不浄)という概念に基づいています。敬虔なムスリムが口にできるのは、ハラールに分類されるものだけです。
インダス河の東側、すなわちパンジャーブ州やスィンド州では、北インドの料理とよく似ています。
一方、インダス河の西側、ハイバル・パフトゥーンフワー州やバローチスターン州では、イランやアフガニスタンに近い味付け、つまり香辛料を使わず、塩と胡椒による味付けとなります。
インドに比べると、マトン、チキンをはじめとして、肉を多く食べます。
具体的に、何を食べるべきか、食事案内は、下記各州、地域の「食べる」項目を参照して下さい。

スィンド州

スィンド州を旅する スィンド州の州都は、推定人口約2000万を数えるパキスタン最大の街カラーチーです。カラーチー市内には、ウルドゥー語を母語とする、印パ分離独立前後にインドから移住してきたムハージル(避難民)が多く居住しています。一方、内陸スィンドには、スィンディー語を母語とするスィンディー民族が多く居住しています。

パンジャーブ州

パンジャーブ州を旅する パンジャーブ州の州都は、推定人口約1000万に届くほどの街ラーホールです。
ラーホール市内には、バードシャーヒー・モスクに代表される世界遺産がいくつもあり、観光するだけで数日を要します。

ハイバル・パフトゥーンフワー州

ハイバル・パフトゥーンフワー州を旅する ハイバル・パフトゥーンフワー州の州都は、ペシャーワルです。近年、「パキスタン・ターリバーン運動」などに代表される過激派組織によるとみられる事件が多発しており、治安はきわめて不安定です。

バローチスターン州

バローチスターン州を旅する  バローチスターン州の州都は、クエッタです。クエッタは、1935年5月31日に起きた地震で大きな被害を受けたため、現在の街並みはその後復興されたものです。ハイバル・パフトゥーンフワー州と並んで、治安はきわめて不安定です。
 また、南部のアラビア海に面した海岸部など、入域には内務省の許可が必要な場所が多くあります。クエッタからは、イランのザーへダーンへ通じる鉄道が走っていますが、2013年6月時点で、治安上の観点からその利用はお勧めできません。

ギルギット・バルティスターン

ギルギット・バルティスターンを旅する ギルギット・バルティスターンは、かつて北方地域(Northeren Areas)と称された地域です。日本からも観光客が多く訪れる地域として知られています。地域の中心は、ギルギットです。イスラーマーバードから飛行機で1時間の距離にありますが、その運航は天候に左右されるため、

パキスタンから第3国へ行く、あるいは第3国からパキスタンへ入国する

パキスタンの入国・出国(陸路)  パキスタンは、インド、中国、アフガニスタンおよびイランと国境を接しています。したがって、それらの国の有効な査証(ビザ)を有している場合は、理論的には陸路での出国が可能です。

パキスタンの入国・出国(空路)  パキスタンは、日本以外にもインド、バングラデシュ、スリ・ランカ、アフガニスタン、中国、タイ、アメリカ、イギリス、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などの国と空路でつながっています。主要な国際空港は、首都イスラーマーバード(Benazir Bhutto International Airport)以外に、カラーチー(Quaid-i-Azam International Airport)、ラーホール(Allama Iqbal International Airport)が挙げられます。注意すべきは、空港によって、就航している航空会社や行き先に差異があるという点です。