タンウィーンとその表記

タンウィーンとは、「名詞の語末にn音を加えること」を意味します。このタンウィーンによって、名詞が限定されていない不特定のものであることが示されます。タンウィーンにはいくつかの種類がありますが、学習者が始めに触れるのは「母音記号を重ねることによって示されるタンウィーン」となります。


ダンマのタンウィーン

ダンマのタンウィーンは、ダンマを2つ重ねることによって示されます。しかし、実際には2つのダンマを1つにまとめた形の記号がしばしば使われています。そちらの記号は、「ヌーン(ن)」の筆記体に含まれる釣り針のような形になります。 (これは筆記対においてヌーンにつく弁別点を表していると説明されています。)

 ダンマを2つ重ねた形 ダンマを2つ重ねると、ダンマターンになる 

  ダンマを1つにまとめた形が現代では一般的



カスラのタンウィーン

カスラのタンウィーンは、カスラを2つ重ねることによって示されます。なお、「ジーム(ج)」、「ハー(ح)」、「ハー(خ)」、「アイン(ع)」、「ガイン(غ)」につけるカスラの位置については別ページを参照してください。

 
طَعَامٍ カスラを2つ重ねると、カスラターンになる


ファトハのタンウィーン

ファトハのタンウィーンは、ファトハを2つ重ねることによって示されます。後に示す例外を除いた場合、語末に ファトハを2つ重ねた「ファトハターン」を書いた後で、発音上読まれない「アリフ(ا)」が追加されます。

ダンマターンとカスラターンのついた単語末でワクフが起こる場合、語末音はスクーンになります。しかし、ファトハが重なったファトハターンが「アリフ(
ا)」と共に書かれる単語でワクフが起こると 、語末音は長母音「アー」になります。ファトハターンの後に普段は発音に現れない「アリフ(ا)」が追加されるの も 、このワクフのルールと関連があります。

 
طَعَامًا ファトハを2つ重ねると、ファトハターンになる

【ファトハターンの後に「アリフ(ا)」が追加されない場合】

ファトハターンの後にアリフがつかない例は意外と多くあります。ファトハターンを書いた後に間違えて「アリフ(ا)」を書かないよう、下の項目を一度確認してみてください。

1)ターマルブータで終わっている名詞
  
سَاعَةً

2)「アリフ+ハムザ」で終わっている名詞
  
هَوَاءً

3)アリフが台になっているハムザで終わっている名詞
  
نَبَأً

4)アリフで終わっている名詞
  عَصًا ، هُدًى

 

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