アラビア語における数の文法
- 基数詞・序数詞の仕組みと性の問題 -
【 形容詞的な表現 】
数えられる対象となる名詞
通常、基数詞においては「تمييز العدد」(tamyīz
al-‘adad)(=数の弁別)」の方法が採られるため、数える対象となる名詞(المعدود)(al-m‘adūd)は数詞の後に来ます。
「تمييز
العدد」(tamyīz al-‘adad)(=数の弁別)」における条件は「数える対象となる名詞(المعدود)(al-m‘adūd)は必ず数詞の後に来る」というものです。
仮にこれらの順序が逆になったとします。その場合は上の条件を満たさないため、数える対象となる名詞(المعدود)(al-m‘adūd)は通常の名詞同様に文中の位置に応じて主格・属格・対格となり、語末の母音などによってその格が示されます。
逆に数詞は後に来ることになり、数える対象となる名詞(المعدود)(al-m‘adūd)を形容詞的に修飾する語として扱われるようになります。
数詞
「عدد」(‘adad) |
= |
数える対象となる名詞
(المعدود)(al-m‘adūd) |
男性/女性 |
単数/複数 |
主格/属格/対格 |
主格/属格/対格 |
つまり、2つのケースにおいて、次のような違いが出ることになります。
ثَلاَثةُ
رِجَالٍ
3人の男たち
【数の弁別(tamyīz
al-‘adad)】
رِجَالٌ
ثَلاَثَةٌ
3人の男たち
【形容詞的修飾】
通常形容詞は前に来る名詞と性・数・格が一致しますが、この用法において後に来る数詞は数える対象となる名詞(المعدود)(al-m‘adūd)の性と逆になります。
ثَلاَثَةٌ |
/ |
كُتُبٌ |
3 |
5 |
数詞 |
数える対象 |
女性形・主格 |
単数は男性・主格 |
|