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学 部 に つ い て
Q:東京外国語大学はどのような大学か?
Q:東京外国語大学では何が学べるのか?
Q:学ぶのは北の言葉か,南の言葉か?
Q:朝鮮語が話せるようになるのか?
Q:英語と両立できるのか?
Q:韓国人留学生との交流は?
Q:韓国への留学は?
Q:3年次編入ってどんな制度?
Q:朝鮮語専攻の学部学生の就職状況は?
Q:東京外国語大学はどのような大学か?
A:東京にある国立大学のうちの1つで,受験のいわゆる難関校の1つです。言語研究・地域研究などを中心に活発な研究が行なわれています。外国語学部,大学院,アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研),留学生日本語教育センターなどから構成されています。
大学の場所は東京都府中市朝日町です。西武多摩川線の多磨駅下車で徒歩5分。駅の目の前に大学があります。あるいは京王線飛田給駅から循環バスで約10分。味の素スタジアムにも近い場所です。
Q:東京外国語大学では何が学べるのか?
A:言葉が学べるのはもちろんですが,文学・歴史・文化など韓国・朝鮮に関するさまざまな分野の学問を学ぶことができます。朝鮮語専攻の場合,大学院(総合国際学研究院)所属の教員5名と韓国からの客員教員1名が朝鮮関連の授業を受け持ちます。このほかに,さまざまな分野の非常勤講師が講義を担当しています。
学生は3年次に言語・情報コース,総合文化コース,地域・国際コースの3コースの中から1つを選択します。1・2年次でいわゆる語学としての朝鮮語の基礎を学んだ後,言語に関連する研究をしたい学生は言語・情報コースへ進み,文法論・語彙論・音論・言語教育などをテーマに研究します。これらは朝鮮語を対象にする研究もできるし,より広く一般言語学的な観点や対照言語学的な観点からの研究もできます。文学・文化関連の研究をしたい学生は総合文化コースを選択します。地域研究や歴史的な研究,国際学的な研究,社会学的な研究など,その他の広い分野の研究は地域・国際コースを選択します。どのコースを選択した学生も希望するテーマによって指導教員を選び,いわゆるゼミに所属しながら卒業論文を執筆します。
詳しくは本学の公式ホームページをご覧下さい。
Q:学ぶのは北の言葉か,南の言葉か?
A:「朝鮮語」というと,あたかも朝鮮民主主義人民共和国の言葉を学ぶような印象を受ける人もあるかと思いますが,そうではありません。ここで言う「朝鮮語」は朝鮮民族の言葉という意味で,大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の両方で話されている言葉を指します。東京外国語大学では,大韓民国の言葉を中心に学びますが,朝鮮民主主義人民共和国の言葉も同時に学べます。南北双方の言語・文学・文化などを同時に広く学べるのが,東京外国語大学朝鮮語専攻の特徴の1つともいえましょう。
Q:朝鮮語が話せるようになるのか?
A:きちんと学習さえすれば,必ず話せるようになります。昔ながらの語学の勉強といえば読むことが中心でした。現在の朝鮮語専攻では読むことはもちろん,書くこと,話すこと,聴くこと,全てに重点を置いて授業を構成しています。書物だけに触れていればよい時代はとっくに終わりました。我々の周囲に,ほら,東京外国語大学のキャンパスの中にも,たくさんの朝鮮語話者が存在するのです。「アンニョンハセヨ(こんにちは)」と語りかければ「アンニョンハセヨ(こんにちは)」と笑顔が返ってくることの喜びを,私たちは何よりもまず分かち合いたいのです。その上で,単なる会話を学ぶような水準ではなく,どこまでも学問的な水準で言語をわがものとし,文化を語りうる人材を養成しようと考えています。
Q:英語と両立できるのか?
A:もちろんです。朝鮮語学の研究室で卒論を書いて光学メーカーに就職した女子学生には,TOEICで930点をとった学生もいるほどです。また,日本語教師資格試験に合格している卒業生もいます。現在の外語大は,そうしたことがいくらでも可能なのですね。でも,もちろん本人の志と努力あってこそです。
Q:韓国人留学生との交流は?
A:東京外国語大学には現在4000人あまりの学生がいますが,うち600人ほどが留学生です。8人に1人が留学生で,この比率は全国の大学中おそらく第1位だと思われます。そのうち150名ほどが韓国からの留学生です。つまり,朝鮮語を学ぶ学生数よりも多く,朝鮮語を学ぶ環境としては海外最高の環境にあるといえましょう。また,韓国からの留学生だけでなく,朝鮮語を母語とする中国の朝鮮族の留学生は毎年一定の人数が入学し,年によってはウズベキスタンのタシケント東洋学大学の朝鮮語専攻学生が来ることもあります。
大学の食堂や喫茶などに入れば,朝鮮語が必ずといってよいほど聞こえてきます。授業でも同じで,例えば授業によっては受講学生のうち3分の1が日本人学生で,3分の2は韓国人が占めるものもあります。日本語専攻の韓国人学生もいますし,中国の朝鮮族の学生や在日韓国・朝鮮人学生もいます。ネイティブスピーカーの先生の授業は朝鮮語で講義が行なわれ,演習の授業では学生が朝鮮語で発表し,朝鮮語で討論をします。3年生が朝鮮語で発表するのは最初は難しいですが,何度も発表や討論を繰り返すうちに聞き取れるようになり,発表も上手になってきます。早い話が,留学に行かずとも東京外国語大学の大学空間は,いわば「疑似留学空間」なのです。このことは東京外国語大学の国際性を物語るものでしょう。
Q:韓国への留学は?
A:朝鮮語専攻から韓国へ留学する学生は非常に多いと言えます。まず,大学から選抜して国費で送る留学生は,留学生交換協定を結んでいるソウル大学,延世大学,韓国外国語大学,淑明女子大学へ3・4年次に留学します。韓国の大学で取得した単位を本学の単位として認定してもらえば4年で卒業も可能です。このほか,ロータリー財団の奨学金やその他の財団の奨学金で留学をする場合もあります。私費でも多くの学生が留学しています。また,1年だけでなく,3ヶ月ほどの短期の語学研修留学に行く学生も数多くいます。3年生ぐらいで1年ほど留学して帰って,韓国人に間違われるほどに言葉の運用能力が身についている学生もたくさんいます。2・3年の先輩後輩だけでも,おそらく常時5人から10人ほどはソウルにいるかもしれません。
留学については留学案内のページもご参照ください。
Q:3年次編入ってどんな制度?
A:3年次編入は,朝鮮語専攻の3年生に編入学する制度です。東京外国語大学では1・2年生で専攻語学をしっかりと身につけ,3・4年生になると学生はそれぞれ語学・文学・歴史・文化などの専門的な研究をすることになりますが,3年次編入はそのような専門的な課程に入ることになります。したがって,3年次編入を希望する人は,朝鮮語専攻の2年生と同等以上の朝鮮語の高い運用能力があることがまず求められます。しかし,朝鮮語ができるだけでは3年次編入を果たすことはできません。朝鮮学の学問的な専門分野に高い関心を持ち,そのような分野を真摯に研究しようとする人が,3年次編入では求められます。ただ朝鮮語を勉強したいとか,学問的な動機づけの薄い人には,3年次編入は狭き門といえましょう。
3年次編入とその他の入試について,詳しくは受験案内のページをご覧下さい。
Q:朝鮮語専攻の学部学生の就職状況は?
A:朝鮮語専攻の卒業生の進路は就職と大学院への進学の2つに分かれます。東京外国語大学全体の就職率は80%ほどという数値が出ています。しかし,在外公館など契約制の勤務はこの数値に含まれていないので,実際にはそれ以上の者が就職していると言えるでしょう。朝鮮語専攻は1学年の定員が30名ですが,大学院への進学者は毎年1〜4名ほどで,残りは全て就職となっています。
大学院進学は言語学系では東京外国語大学に進みますが,それ以外では近年は東京大学や一橋大学,横浜国立大学,東京都立大学,慶応大学などの大学院への進学も見られます。
就職した学生の就職先を見ると,金融,マスコミ,通信,運輸,製造,教育,ハイテク産業など極めて多岐にわたっており,一概には言えません。卒業生に聞くと,実際に外国語を活用している場合は,英語と朝鮮語の両方,英語だけ,朝鮮語だけ,という場合に分かれるようです。韓国で勤務している卒業生もかなりの数に上ります。数年前,女子学生の就職難が問題になっている折りに,東京のほとんどのテレビ局に朝鮮語専攻の女子学生が就職して週刊誌に取り上げられたこともありました。
学部での選択コース(言語・情報コース,総合文化コース,地域・国際コース)のうち,どのコースを選ぶかということと,就職先や就職率との相関関係はあまりないようです。
Q:大学院の専攻はどうなっている?
A:大学院は,総合国際学研究科という名称を持っています。大学院総合国際学研究科は,まず博士前期課程(いわゆる修士課程)と,博士後期課程(いわゆる博士課程)に分かれます。前期は最低2年,後期は普通最低3年学びます。前期修了時には,修士論文を,後期では博士論文を書きます。前期課程では言語文化,言語応用,地域・国際,国際協力の4つの専攻に分かれ,後期課程は言語文化と国際社会の2つの専攻に分かれます。言語研究関連は全て言語文化専攻です。国際コミュニケーションコース,日本語教育コースがありますが,これらは博士前期課程(いわゆる修士課程)のみのコースです。国際コミュニケーションコースは通訳を養成する2年のコースで,言語研究者を養成する言語文化コースとはカリキュラムが全く異なる,別のコースです。現在のところ,国際コミュニケーションコース,通訳専修などを持つ言語応用専攻の授業は,朝鮮語関連の教員は担当していません。従って,言語研究を目指す方は,言語文化専攻を選択することになります。
詳しくは本学大学院の公式ホームページをご覧下さい。
Q:日韓対照研究,朝鮮語教育の研究,朝鮮語学の研究をしたいが,東京外国語大学はどうか?
A:何をおいても,東京外国語大学で学ぶことを強くお勧めします。日本課程の日本語学専門の専任教員9名,日本課程以外の外国語学部や留学生日本語教育センターに所属する教員も日本語学関連の教員が大勢おります。また,朝鮮語学専門の専任教員は4名,その他の朝鮮学の教員もおり,規模とその陣容から見て南北朝鮮の本国以外では最大級です。特に日韓対照研究をするならば,東京外国語大学大学院で研究なさることを勧めます。
Q:朝鮮語学を韓国ではなくて,東京外国語大学で研究する意義は?
A:まず,多くの言語の中の1つとして朝鮮語を対象化することができること,とりわけ,日本語と対照する中で朝鮮語から見えてくるものは大きいでしょう。また,韓国内での学問的な方法だけでなく,世界ではどのような方法が行われているかを身をもって学べること。一言で言って,「国語学としての朝鮮語学」ではなく,「言語学としての朝鮮語学」という観点から学ぶことができるでしょう。母語(native language)としての朝鮮語では,当然のこと,自明のことと思われていることが,他の言語と対照する中で,実は重要な言語学的問題であるというようなことがわかってきます。つまり,朝鮮語には未知の豊かな言語学的問題に満ち溢れていることがわかるのです。朝鮮語教育の現場から日々突きつけられる問いからも,朝鮮語学を東京外国語大学で研究する意義がわかるでしょう。
Q:大学院で日韓対照研究などを学ぶ学生たちの数とその水準は?
A:朝鮮語専攻の指導教員のもとで研究している博士前期課程(修士課程)の学生は8名(うち5名が韓国人留学生),博士後期課程(博士課程)の学生は3名(うち1名が韓国人留学生)です。このほかに,日本課程の教員のもとで日韓対照言語学を学ぶ大学院生が,10〜20名ほどいますが,こちらはほとんどが韓国人留学生です。
朝鮮語専攻の大学院生は極めて優秀です。研究者の水準は論文に如実に現れます。博士後期課程の学生は,すでに3名とも朝鮮学に関する日本最大の全国学会誌『朝鮮学報』に投稿しています。うち2編はすでに審査を経て刊行されています。『朝鮮学報』級の学会誌は厳しい審査があるので,非常勤講師や専任の教員でさえ実はそう簡単に論文が掲載されません。東京外国語大学の日本専攻の大学院生たちでさえ,そうした経験はなくても普通なのです。このような難関を大学院生時代に経ているわけですから,大学院生たちの研究者としての優秀さがわかるでしょう。
博士前期課程の学生たちも,全国学会で発表するなど,活発な研究活動を見せています。また,修士を終え,韓国のソウル大学国文科の博士課程に留学中の学生も,韓国の国語学会で発表するなど,優れた活動を行っています。
Q:日本における東京外国語大学の朝鮮語研究,朝鮮語教育,日韓対照研究の位置は?
A:たとえば,全国的な学会誌『朝鮮学報』に,過去12年間に掲載された語学関連論文の43%は,東京外国語大学大学院のアジア第一専攻の出身者が書いています。無論,文句なく第1位で,他大学の大学院を圧倒するものだと言ってもよいでしょう。こうした事実一つをとってみても,少なくとも,朝鮮語研究,朝鮮語教育,日韓対照研究を目指すなら,修士課程であれば東京外国語大学のアジア第一専攻で学ぶのが理想的だと言えるでしょう。なお,第2位を占めるのは,韓国の諸大学で,ソウル大学と延世大学となっています。第3位は京都大学ですが,残念ながら現在は,言語学専攻に朝鮮語学を専門とする方はおられません。
Q:大学院を終えて就職状況はどうなっている?
A:これまで大学院博士前期課程(修士課程)を終えた朝鮮語学専攻の者は,13名います。うち8名は大学の専任教員(東京外国語大学,神田外語大学,二松学舎大学,法政大学,九州大学),1名は企業に就職しています。3名はソウル大学に留学中です。2名は大学などの非常勤講師を勤めています。
Q:大学院入試の難易度は?また過去の問題を知るには?
A:大学院の入試は難しいと言えます。入試科目は3つです。(1)朝鮮語科目(3時間)。(2)言語学科目(1時間)。(3)外国語科目(1時間)。このうち,(2)では,一般言語学と一般音声学に関する基本的な知識が問われます。(3)の外国語科目は,朝鮮語母語話者の場合は,英語・ドイツ語・フランス語・中国語などから選択します。日本専攻では,日本語を外国語科目にすることができますが,アジア第一(朝鮮語)専攻では,日本語を外国語科目にすることはできませんので,日本語と朝鮮語だけできても入学できません。必ず英語など他の言語を学ぶ必要があります。(1)の朝鮮語科目の内容は,(a)日本語を朝鮮語に訳す問題,(b)朝鮮語を日本語に訳す問題,(c)中期朝鮮語に関する問題,(d)朝鮮語学に関する論述問題の4種類の問題が毎年出されています。ただし,これは過去の問題のことで,将来にわたって同様の問題が出題されるという保障はありません。
過去の問題は,入試課で借り出し,生協で複写することが可能です。郵便やメールで申請することはできません。教員のホームページでも一部が公開されており,今後さらに拡充していく予定です。
詳しくは本学公式ホームページの大学院入試のページをご覧下さい。。