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2019年10月 アーカイブ

2019年10月22日

お久しぶりでございます(デジタルデトックスしすぎ)

あまりに長くデジタルデトックスしていたので、もはやこれを読んでいる人はいないんじゃないか?と疑念をもちつつ、留学に出ているゼミ生などから「見てますよ」の声もあったことを信じて、えー、お久しぶりでございます。夏が過ぎ(その報告もいつかきっと...)、10月に入って秋学期も無事に始まったと思いきや、台風19号の猛威で日本中が大変なことになっている。
そんな先週、メンバー2人が登壇するというので、共同研究の他のメンバーと共に打ち合わせもかねて熊本に行ってきた。熊本市立図書館が企画した「ともに食べ、ともに考える」(https://www.library.city.kumamoto.jp/?page_id=159)である。初日の講演&トーク、二日目午前のキッチン・トーク、そして午後のビブリオ・トークともに大変充実していた。下記はキッチン・トークの一コマである。
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料理する高校生たちをたばねる慶誠高校の原美幸先生が何とも素晴らしく、現場で生徒たちを叱咤激励しながら、大切に大切に育てている様子が伝わってきた。
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そういえばここ一年あまり、当方の高校時代のご縁で下記の書物の刊行のお手伝いをしていた(解説も書かせていただきました!)。ご関心をもって手に取っていただけたらと願っている。
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2019年10月31日

怒りの炎のように

 今朝は目覚ましのラジオから流れる「首里城が燃えている」の報道に、思わず飛び起きた。その後の報道によれば正殿、北殿が全焼、南殿もほぼ全焼とのことである。沖縄の人びとにとって、そして日本や世界にとって大切な歴史的建造物 ー世界遺産が焼失してしまうことは、とても悲しくまた大変な損失である。一刻も早く消火され、再建に向けた取り組みがなされることを切に願う。
 と同時に、世界遺産であるバーミヤンの石仏が2001年に破壊されたとき、モフセン・マフマルバフ監督が語り、かつ書籍にもなった「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない。恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」という言葉を、またも想起せずにはいられない(書籍タイトルとしては異例に長いこの言葉を忘れるのは、それ自体難しいが)。世界中の人びとが世界遺産の破壊を嘆き、怒りを表明したが、石仏の足元でアフガニスタンの人びとが殺され、貧困にあえぎ、苦しんでいたことには、世界の誰も目を向けていなかった。より大切なのは人のいのちではないのか。マフマルバフ監督はそのことを指摘したのであった。
 首里城は破壊されたのではなく火災に燃え落ちている。沖縄のシンボルが怒りと恥辱のあまり崩れ落ちていると、不謹慎にも思ってしまう。かつてベトナム戦争の頃、沖縄返還をめぐる政府の態度への抗議と怒りを訴える焼身自殺があったが、焼身自殺は人のいのちを失わせるもので、肯定されたり繰り返されたりしてはならない。人は抗議や怒りのために死んではならないのだ。首里城は沖縄の人びとの思いを背負い、身代わりになって焼失しつつある。そんな思いをぬぐえずに、事態をただ呆然と見ているばかりである。
 

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