« 2016年5月 | メイン | 2016年7月 »

2016年6月 アーカイブ

2016年6月18日

世界システム論が「きている」

ふおおお、ようやく書評を一つ書き終わり、某書評新聞編集S氏にお送りした。いえーい、これで晴れやかな週末だっ!(これから研究会行くけど)。対象本はコレ。

はい、汪暉さんの新著ですねー。今年の2月だっただろうか「中国研究でない人に」と誘われて踏み込んだこの領域、新自由主義批判という文脈からも重要だが、野心的なタイトル「世界史の中の世界」(うーん、大構想!)が示す通り、世界システム論を十分に意識した仕事である。とか考えつつ過ごしていた折に、大先輩のU氏からご新著をご恵送いただいて「あっ!」と驚いた。コレです。

ローザ・ルクセンブルグを起点とし、H.アレントにも目配りしつつ、これまた(?)世界システム論の4人組(アミン、フランク、ウォ-ラーステイン、アリギ)を論じるものである。なるほどー、そう来たかっ!しかし大変ありがたいお仕事ですねー。(あとがきの謝辞をみたら、あら凄腕編集のM様...)
こうして、世界システム論がじわじわと「きている」感じがする。ふーん、そうかあー。それにしても最近の本の装丁って、こういうシンプルなのがトレンドなんだろか?しぶい...

2016年6月20日

寄り添い、闘い、生み出す

やっとFAKEを観てきた。某森タツ監督さんの新作である。とにかく大評判だというので、いつも開演ギリギリに駆け込みの身にはまだ敷居が高かったのだが、昨日開演20分以上前に到着して、整理番号は131番(きょええ!)だった。かなり前の方だったが椅子があっただけ幸いである。
でもとにかく観てよかった!そしてたくさんの人に観てほしいと思った。というわけでこうしてさっそくオススメを書いているわけだ。ちょうど先ほど、件の目利き友人K氏から「もう観た?まだだったら観た方がいい。年内ベスト候補かも」という連絡をもらって、たしかになーとうなずいている。
新聞その他の映画評がこぞって書くように、ポイントは夫婦愛であり、猫であり、ケーキである。「作曲=音楽をつくる」ということが分解して考えられていくくだりも、たいへん面白い。ふと、昨年11月末に来日したセネガルのラッパー、クルギのメンバーが沖縄のスタジオで夜を徹して一曲をつくっていった濃密な時間を思い出したりもする。しかし圧巻なのはやはり、主人公 -つまり一つの事件によってすべての友人を失い、社会からほぼ抹殺され孤立し、その家族も後ろ指を指されている人物ー にひたすら寄り添い、そのことによってほんとうに多くの強力な相手方と闘うという監督のスタンスであり、またそのスタンスから主人公と監督の間に作り出された独特の関係が主人公と監督の双方、とりわけ主人公の側に変化をもたらし、その結果なにかが生み出されるという物語に観客が立ち会うしくみである。重要なのは、寄り添い、闘うだけでなく、最後のひとつを伴う点である。だからドキュメンタリーは単なるドキュメンテーション(記録化)ではない。うーん、すごい。そのような手法で高い評価を得た「アクト・オブ・キリング」よりも、当方にはずっとしっくりきた。それにしても某テレビ局のスタッフさんとかって、森さんの顔を知らないんだな...。びっくり...

2016年6月21日

お知らせがきたお知らせ

昨年2015年の夏、「大学有志の会」として先陣を切って活動を始めた京大有志の会から、お知らせが来た(「あしたのための声明書」)。現場での諸活動をさまざまに展開しつつ、ビデオクリップなどウェブ上の活動も精力的に行っていることが、そのHPからよくわかる。というお知らせです。

2016年6月26日

取扱要注意(か?)

6月22日に刊行された小さな本がバカ売れしている。「書いてあることを要約する」ように読む国語的無垢な読者には取扱要注意の一書であるが、憲法原文と対照されたこのたびの某与党の改正草案の原文、その解説(というかこれが本文だ)、わかりやすい図などもついて資料的価値も高い(残念ながらネタ元の「新しい憲法のはなし」は抄録だが)。

これでたったの741円。みんなで読んで選挙を盛り上げよう、という気概が伝わってくる。太郎次郎社エディタスに座布団10枚!もとい3枚ぐらい!(緊縮財政)

About 2016年6月

2016年6月にブログ「Virtual LoungeCN」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2016年5月です。

次のアーカイブは2016年7月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。