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ドキュメンタリーな日々

昨日の放課後は某N放送局の研究所の上級研究員のMさんにお越しいただき、ゼミ生を中心とする若者向けに特別授業のようなセミナー講演をしていただいた。漫才の手法を軸とするドキュメンタリー論で、若者のみならず当方にとってもたいへん興味深く、また勉強になった。セミナー後は某多磨酒場(いつもの寄り道から10mほど移動した場所にある)にて謝金代わりの一献、いや質疑応答の時間をもうけた。若者たちがMさんを取り囲み、あれやこれやと話しかけたり、お話しをうかがったりしていたのを、とてもとても嬉しく拝見した時間だった。うるさくするだろうからお隣のグループに申し訳ないなあ、と到着時に心配して目を向けると、あららっ!隣はなんとわれらがグロスタ仲間M先生のゼミコンパ(死語)集団ではないか!こーいう偶然ってあるんですねー。いやいや。安心して賑やかにさせていただきましたー。(というか一部、そちらを含めた席替えなども散見された)。
実はその前の日、一昨日は若き研究仲間のIさんがお勤め先の某O女子大ジェンダー研究センターで行われた映画の上映会に誘ってくださったので、ほくほくと出かけてきた。上映作品はなんと!公開直前(5月27日から)のマイケル・ムーア監督の『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(http://sekai-shinryaku.jp/)であった。わーい。大きな教室に、申し訳ないぐらいの人口密度(いや非密度というべきか)で鑑賞させていただいた。恐縮である。
さて、このドキュメンタリ-が「マイケル・ムーアの集大成」かどうかはわからないが、心に残るエピソードはたくさんあった。たとえば、子どもの給食に大人たちが知恵を出し合い、おいしいものをきれいなマナーで食べることを身につけてほしいとするフランスの小学校、ひとりひとりの個性や学びたいことを引き出して伸ばしていくのが教育だと教師たちが口をそろえるフィンランドの教育水準の急上昇というデータ、また無差別殺人の犠牲になった息子を悼みつつも犯人を「殺せ」とは言えないとするノルウェーの父親の話しなど、心に希望の灯がともる。妙なひねりのストーリーや、これを「女性の社会進出」の観点から推したい(だからこそジェンダー研究所で上映があったのだが)という配給会社の思惑はともかくとして(;)、この映画は推したい。上記のMさんの仮説からすれば、一見ツッコミ型のようで意外とベタなボケ型ドキュメンタリーということになろうか。ともあれ、ああ、なんともドキュメンタリーな日々。シアワセである(が、これ以上はつづかない)。

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2016年5月18日 23:07に投稿されたエントリーのページです。

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