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2016年3月 アーカイブ

2016年3月 4日

季節は巡り、そして何かが少しづつ

啓蟄の候。大地が暖まり、冬眠していたものたちがうごめき始め、活動を始めるときである。目を覆いたくなるような酷いニュースのあいだに、T電の3名の強制起訴の勝ち取り、沖縄県との和解案を国が承諾など、少し希望の持てるニュースが混じっている。2011年3月11日の震災からもうすぐ5年、沖縄の問題もっとずっと長くだが、地道に持続的に闘ってきた人々の力が、膠着した事態や権力を少しづつ動かしている。さて、拙ブログもそろそろ半冬眠から覚めて...(毎回そんなこと言ってますが...)。

2016年3月16日

Pちゃんに学ぶ

昨年の夏、拙ブログでも紹介させていただいたわがゼミ生有志による沖縄合宿、たまたま写真部員(ブチョーも)と相当の写真好きが揃っていて、夥しい数の写真を撮った。その後、外語祭の機会にゼミのスペースをもらって傑作(?)数枚を展示し、エッセイを掲げたが、果たしてどれほどの人が見てくださったのだろうか。そんなわけで、きわめて鮮烈だったに違いない体験がなかば埋もれてしまっていた。
ところがそのメンバーたちが一念発起し、このたび『沖縄合宿報告書』をまとめたのである。ページ数は控えめだが内容はなかなか充実しており、昨晩遅くに送られてきた最終稿をみたときには、良い意味で軽く衝撃を受けた(というか感激で少し泣いた)。本日506Bにて最後の編集に携わっていたRちゃん、Mちゃんは連日のハードワークからか、ついには変なテンション状態となっていたが、なんとか無事に入稿し、後は(印刷所の連絡と)完成を待つばかりである。
もうひとつインパクトの強かったことがある。昨年度もゼミ論考集を一冊の本としてまとめたのだが、それは(とある助成金を申請したものの落選したという経緯もあって)当方が私費を投じて製本したものであった。ゼミ生諸氏の成長を思えば惜しくない道楽だと割り切ってのことである。今年は例年通り、コピー用紙に印刷したものをホチキスで止めるだけの、文字通りの簡易製本形式に戻す予定であった。ところが上記メンバーたちと話しているうちに、有志や歴代ゼミ生のOB・OGその他の方にも寄付を募ったり実費でお分けしたりすれば、採算がとれるのではないかという考えが浮上した。そしていろいろ相談しそろばんをはじいた結果、このプロジェクトを挙行するという結論に至ったのである!
たしかに本づくりの現場においてかかるコストを学ぶことも、重要な側面に違いない。昨年度、おカネの動きを度外視して論考集をまとめたことは、ゼミ生諸氏を子ども扱いしすぎだったかもしれないと(珍しく。てへ)反省した。

そんなことを考えているうちに、一、二ヶ月ほどまえに若い研究仲間から教えてもらった本のことを思い出した。黒田恭史さんの『豚のPちゃんと32人の小学生:命の授業900日』(ミネルヴァ書房、2003年)である。この本のテーマは、「食べるために豚を飼う」ことを提案し、実現した新米先生と子どもたちの体験記を通じていのちを考えるというものだが、その一節に、豚のPちゃんが大きくなってしまって小屋を立て直さなければならないというくだりがある。そんなお金をもっているはずのない子どもたちは、一生懸命ゴミ拾いなどをして貯めた有り金全部をもって建材屋さんと交渉する。それ自体も「いのち」を育て、支えるためのプロセスの一つというわけである。
ちなみにこの本と、同体験を映像でとらえたDVDも賛否両論だったようで、それについても書きたいことはあるが、次の機会にしておこう。ともあれ黒田先生は、子どもたちだけでなく教師も大いに学んだとさかんに強調されていた。まさに同感である。

なお、完成した合宿報告集をご希望の方は、ぜひとも中山までお知らせくださいませー。寄付も随時受けつけておりますので、どうぞよろしくお願いいたしますー(これもゼミ生諸氏とやりかたを検討中ですが)。

2016年3月31日

できました!

3月は旅立ちの季節である。24日は卒業式だったり(拙HPに追加写真をアップしたい...)、29日は岡山大O先生が今年度でご退職のため最後となるポスト・マルクス研究会のO先生セッションのみ参加させていただいたり(岡山日帰り主張にて初めて飛行機で岡山入りしました)、心に沁みる出来事がいくつもあった。が、今日はめでたく!、件の沖縄合宿報告書の完成版を製作メンバーとともに落手した。新しいインクのにおいが香り立ち、みな真剣な眼差しで文章をあらためて読み直していた。なかなかきれいな仕上がりである。

オマケもついて一冊500円也、だそうです。506Bにお立ち寄りいただける方には、開室している限りお渡しできるのですが、もし郵送などでご希望の方があったら中山までお知らせくださいませ!
ちょうどそんな折、昨日のA新聞の夕刊に与南国島の自衛隊配備に関する記事が載っていた。

 

合宿メンバーとともに見た与南国島の光景はもうないということになる。図らずも(いや、図ってかな)貴重な記録になった。

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