こういう時期だからということで5月下旬に先行上映された『戦場ぬ止み』は満席、やがて立ち見席も一杯になってその後来た人々を断らなければならない盛況ぶりであった。当方も断られてやむなく帰ったひとりであった。その後「先行上映」はそのまま連日、続くことになったのだが、本日ようやく観てくることができた。
三上監督の前作『標的の村』も良い映画であったが、作品としての完成度がさらに上がっている。その分、直接の体験者には観ただけで身体を壊すほどつらいシーンもあったことを、『世界』2015年7月号の三上監督のインタヴューで知ったが、ともあれ本日もほぼ満席であった会場では、終了時にみなが拍手するほどの熱気に包まれた。拙ブログを訪れてくださるみなさまにも、ぜひぜひご覧いただきたい。
昨年夏以来のしんどい場面の映像もあるが、多くの観客がたぶんぜひ観たかった場面などもしっかり入っていて心憎い(菅原文ちゃんの演説、かっこいい!とかね)。そしてまた、闘いの現場で口ずさまれる唄が、映画の中でも、そしておそらく実際に現場でも、ある種の救いになっている。まさに「くちびるに歌をもて」である。
なお来場者全員がもらうチラシのなかに、石川真生さんの写真展の案内ハガキが入っていた。これまた強烈なインパクト。
東京も梅雨入り間近だが、さわやかな風に吹かれて、必要な機会にはなるべく足を運びたい。