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2015年6月 アーカイブ

2015年6月 1日

五月末の日々

6月に入った。先週金曜日は久しぶりに余所様からのお仕事で、インタヴューを受けた。某N社のKセミナー(名バレ)増刊号で、「これからの経済学を振り返りこれからの経済学を考える」大特集とのこと。当方にふられたテーマは、ポラニーでもシュムペーターでもなく、ピケティ関連であった(なぜー?)。1時間ほどのインタヴューをと言われていたのだが、「対話」というよりはだーっと1・5時間早口で話させていただいて、無事(?)終了。毎回授業が1.5時間なので、身体感覚としてこの時間の長さが身についてしまっているのかもしれない。ご担当様、あとはどうぞヨロシク!
週末の終わりに熊本から訃報。拙ブログでも書かせていただいたことがあるのだが、当方がまだ熊本に住んでいた頃、大人のバレエ教室(ぷぷっ)」に通っていた。主宰のM先生は、バレリーナになるわけではない素人の大人たちにさまざまな可能性を見出し、独特のユーモアで身体も心も伸ばしていくレッスンをする、若くて美人のステキな先生だった。当方がこちらへ引っ越してからも、ときどき舞台のお手伝いに呼んでいただいたりと、親しくさせていただいていた。そのM先生がご病気で亡くなられたのである。享年40歳。あまりに若い。

彼女の踊りは、しなやかさと静謐さのなかに潜む情熱がなんとも魅力的であった。昨夜は画質の粗い彼女のソロの公演映像を、ただ何度も観続けた。Mさんありがとう。あなたとともに過ごせた時間は宝物です。どうか安らかに、今度こそゆっくり休んでください。

2015年6月 7日

研究会シーズン?

土曜日の夕方という言葉が喚起するイメージは、家族との穏やかな夕暮れ、あるいは街に出て親しい誰かと出会い、美味しいものでもつつきながらゆっくり話しをする時間、はたまた心躍るデート?、だろうか。昨日6日はそんな土曜18:00のシンポジウムに、なんと1400人が詰めかけたという。立憲デモクラシーのシンポジウム、「立憲主義の危機」である。
当方も開始15分前には到着したと思うのだが、入り口付近にはすでに長蛇の列、会場入りするとすでに満席で立ち見となった。700人の教室がびっしりと埋まり、追加で中継を見せた300人教室も満席、さらに音声のみの教室を設けて対応した。憲法が「立法」府つまり議会で作られる他のすべての法律よりも上位にあり、その主体は国民であって、憲法は権力の暴走をとめるために存在するという構造が歴史的、論理的にわかりやすく説明されて、たいへん勉強になった。会場には年齢層高めの方々も多かったが、学生とおぼしき(会場となっていたT大の学生だけではないだろう)人びと、おそらく高校生ではと思われる聴衆も比較的多かった。若者が動き始めたら、この国の状況は大きく変わり始めるだろう。
終了時間はやはりだいぶん延長して帰り道、某本郷3丁目の交差点で、別の研究会をやっていたという10名近くの研究仲間たちに出会った。軽く近況などを報告し合って別れたが、久しぶりのことで懐かしかった。こちらも若手中心である。みんな元気で大いにがんばってほしいと願ったひとときであった。

くちびるに歌をもて、と

こういう時期だからということで5月下旬に先行上映された『戦場ぬ止み』は満席、やがて立ち見席も一杯になってその後来た人々を断らなければならない盛況ぶりであった。当方も断られてやむなく帰ったひとりであった。その後「先行上映」はそのまま連日、続くことになったのだが、本日ようやく観てくることができた。

三上監督の前作『標的の村』も良い映画であったが、作品としての完成度がさらに上がっている。その分、直接の体験者には観ただけで身体を壊すほどつらいシーンもあったことを、『世界』2015年7月号の三上監督のインタヴューで知ったが、ともあれ本日もほぼ満席であった会場では、終了時にみなが拍手するほどの熱気に包まれた。拙ブログを訪れてくださるみなさまにも、ぜひぜひご覧いただきたい。
昨年夏以来のしんどい場面の映像もあるが、多くの観客がたぶんぜひ観たかった場面などもしっかり入っていて心憎い(菅原文ちゃんの演説、かっこいい!とかね)。そしてまた、闘いの現場で口ずさまれる唄が、映画の中でも、そしておそらく実際に現場でも、ある種の救いになっている。まさに「くちびるに歌をもて」である。
なお来場者全員がもらうチラシのなかに、石川真生さんの写真展の案内ハガキが入っていた。これまた強烈なインパクト。

東京も梅雨入り間近だが、さわやかな風に吹かれて、必要な機会にはなるべく足を運びたい。

2015年6月10日

いざというときに「これはダメ」と言えること

本日、仕事から帰りがてらスマホでみた記事に(弁護士ドットコムの配信)、M上代議士のあっぱれな演説全文が載っていた。すごい、たった一人で身体を張って頑張っている人がいる!大いに心を強くした。ゼミ生諸氏に「大学で学ぶのは世捨て人になるためではない。社会のそれぞれの持ち場に入って働き、いざというときに「これはダメ」といえるように、その見極めができるように、力をつけるためである」という話をするのだが、そのお手本のような話である。M上氏に心からエールを送りたい。この正念場をみんなでがんばらなくては!

2015年6月14日

「フェンス」の向こうを考える

報告がやや遅れたが、去る8日(月)、ゼミ出身のAちゃんが某学習会の講師となるというので、祝い(?)を兼ねて参加してきた。拙ブログでも紹介させていただいたことがあるのだが、外大HPに全文が載っている彼女の卒論を読んでくださったO氏が某商業誌に全文を掲載してくれたというハナシの続きである。
月曜晩なので仕事の後遅れて参加する人もあったが(当方も早々に仕事を片付けてダッシュで都心へ向かった)、おそらく総勢20名ぐらいのわりと大きな研究会で、時間も2時間半と贅沢にとってあったので、Aちゃんの控えめな長さの報告の後、つっこんだ議論が展開された。
メンバーの半数以上はもう何十年も沖縄の問題に関わっているかとみられる錚々たるみなさまであり、みなさまからするとびっくりするほど若いAちゃんの問題意識との摺合せにはやや手間がかかり、あるいは齟齬もあったのかもしれない。しかし的確に問題の核心を突くいくつもの質問やコメントが提示され、数々の論点が明確になった。他方で、昨今辺野古の座り込みにコミットしている若い人びとも複数名参加しており、彼らの初々しいコメントや質問にも好感がもてた。「フェンス」の向こうを考え、いつかフェンスがなくなることを願うAちゃんの論考に多くの人びとが関心と連帯の意を寄せてくださっているのをみて、こちらも大いに元気づけられた。学習会の後の会合も、(当方はその翌日午前中から授業があったため参加できなかったが)楽しく盛り上がったとのこと。とにかくAちゃん、お疲れ様でした!立派でしたよ!
後日、メールを頂戴してわかったのだが、参加していた某J氏が運営するサイトに様子を載せてくださった。ありがとうございます!
http://www7b.biglobe.ne.jp/~whoyou/emigrant15.html#20150609miyahiraai
この日の記録だけでなく、たいへん読み応えのあるサイトである。

追:今日はこれからわが所属学会の幹事会で京都に日帰り出張。行ってきますー。

2015年6月27日

渋谷ハチ公前行ってみました!

先週、今週と週末に某市市民講座に呼んでいだたいており、先週は土曜日がW大平和学のリレー講座担当だったので、どうも週末感覚がない。が!今日は渋谷のハチ公前で昨今話題のsealdsが集会をやっているというので、若者に交じって参加してみた。
ハチ公像付近には、真剣な面持ちの若者たちだけでなく、中高年層のみなさんもさまざまなメディア関係者のみなさまも集まって、ごった返していた。単なる待ち合わせの人々もいたのだろうが、彼らもなんとなく演説に耳を傾けざるを得ない(耳は閉じられない)。マイクを握る若者たちが、自分の言葉で政治を語りかけているのがとても心地よい。やがて国会議員ら大人のスピーチとなったが、合間合間に若者の発言もあり、音楽も流れて、なるほど若者らしい集会であった。こうした動きに不穏な圧力がかかってこないよう、大人たちも全力で守らなければ!と心から思う。

2015年6月28日

美酒にも似た濃厚さで

そんなわけで(;)2週連続で某市の市民講座をお勤めさせていただき、とりあえず無事に終了したので、残り半日だけでも「休日」らしく、昨日から公開されているトルコ映画『雪の轍』を新宿で観てきた。たしか数週間前ぐらいの新聞だったと思うが、ロシア文学研究の大御所N氏が評していたのを読んで、ぜひ観たいと思っていたものだ。(今日、別の上映館でそのN氏がわが本務校の元学長とトークイベントをやっていたようだ)。映画評にあったとおり、主要登場人物の対話劇が見事で各人物の描き分けもすばらしい。カッパドキアの冬景色は壮大で、観終わった後もしばらく寒かった(え、冷房のせいだって?)。いやー、何とも映画らしい映画を観るのは、美味しいモノをいただく感覚にも近く濃厚である。はうーん、幸福...。
しかし作中、貧しき者が札束を暖炉に投げ込むシーン(ネタバレご容赦)に快哉!と心の中で叫んだ観客は多かったのではないか。(午前中に話した講座のテーマが「貧困」に関わるものだったから、というわけではないだろう)。社会における貧富の問題、おカネをめぐる人間の弱さと強さが見事に描かれている点も、この作品の注目ポイントである。

2015年6月30日

市民と学者のみなさま、拡散希望です

当方も賛同している一名だが(学者はなぜか「市民」とは別のカテゴリーに入っている)、市民のみなさま、学者のみなさま、賛同&拡散さらに広くよろしくお願いいたしますとのことで連絡がきた。
フォームはこちらです↓
http://anti-security-related-bill.jp/list.html
拙ブログを訪れてくださるみなさまで、ご賛同いただけたらぜひお願いいたします!

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