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2014年8月 アーカイブ

2014年8月21日

残暑ときどき小ゼミ

いわゆるお盆前後はしばらく大学がロックアウトで、大学も実質的に「夏休み」となったが、開けて今週ぐらいからは、ぼちぼちゼミ生諸氏からの連絡や相談が来たりする。昨日は卒論ゼミ生のお二人と連れ立って東京都現代美術館の「クロニクル1995-」を観てきた。ちょうど同美術館の開設が1995年で20周年の記念特別企画とのことで、例の(?)目利きの友人K氏から早い時期にお勧めをいただいていたのだが、卒論テーマがオウム関連のY氏に見るよう勧めてみたところ、これに関心をもったA氏とともに「みんなで行こう!」となったのだった。丁寧な解説が秀逸な展覧会。当方にとっては「そういえばあのとき」と思い出すことしきり、若い二人にとっては「ロスジェネ」の原点への回帰のようであり、いずれにせよ三人で「1995年、やっぱ暗いわー」とつくづく確認した。
午後には別のゼミ生某氏(留学帰り)がどうしても昨日、基本書報告をしたいとのことで、大学まで戻る手間を惜しんで新宿某所のカフェにて突然、番外編的小ゼミ開催。色鮮やかなケーキのリストをみながら「やーん、どれにするー」とか言っていた女性4名が突然レジュメとペンを手に議論を始めたのは、おそらく異様な光景であったに違いない。(カフェのスタッフさんたち、長居してすんません)しかし少人数ゆえのおもしろさもあり、没頭して議論した。カフェを出た頃には日が傾いており、かんかん照りの残暑を避けた格好になった。明日は大学にて小ゼミありますー。

2014年8月23日

夏の名残り

昨日は小ゼミが無事開催され、夏休みの登校日×数日みたいな一週間が過ぎた。本日はオフ!夕方過ぎ、やや涼しかったので窓を開けていたら、遠くの空で突然ドドーンと爆ぜる音アリ。見ればなんと大輪の花火が次々に。

 

あれっ、調布の花火大会はたしか明日のはず?と勘違いしたが、おそらく多摩川花火大会であろう。いやー、美しいー。たまやー、かぎやー!(ええ、写真はイマイチですが)。夏の名残りはほんとうにいとおしい。

2014年8月28日

沖縄行ってきました!

8月下旬の海外出張がわけあって取りやめとなり、沖縄へ行ってきました!8月なかばの辺野古での横暴な工事開始の報道を見て、なんとか反対運動の応援ができないかと思っていたところ、N谷ボスと盟友Iさんが沖縄にいらっしゃるという情報をいただいたので、これに便乗(?)したわけである。23日の県民集会はタッチの差で逃したが、翌日の新聞がその盛り上がりを伝えていた。3600人が参加したとのこと。
25日、26日と辺野古へ行って運動の頭数一つとなった。毎週月曜日は「島ぐるみ会議」が那覇からバスを出しているため、25日は多くの参加者があり(われわれはN里さんが車で連れて行ってくださったので、自由に動けてたいへんありがたかった)、キャンプシュワブのゲート前で座り込み&抗議行動も賑やかだった。
25日晩は「新外交イニシアチブ」の一周年記念&著作刊行記念のシンポジウムに参加した。(著作は下記)。基地の問題については「安全保障上必要だから」「抑止力だから」というところで止まってしまうことがしばしばあるが、まさにそこから問いをたて、その思考停止を解きほぐしていくというスタンスである。

コーディネーターのSさんがすばらしき「デキ女」で、日本とアメリカ双方の弁護士資格を持ち、沖縄の声がワシントンに届くよう、精力的なロビー活動を展開している。昨年あたりから名護市長がアメリカで演説したり、オリバー・ストーン監督や著名知識人たちが声明を出したりと、アメリカを巻き込んだ展開になってきたのは、この人がやっていたのか!と納得。これまでとはちょっと違ったやり方で、今後の展開も大いに期待される。沖縄の人びとの関心も強いようで、当日の会場は800人の参加者で埋め尽くされた。
26日は辺野古の海岸で「海上行動隊=カヌー隊」の応援行動に参加した。テント村は、海岸とゲート前をつなぐ見事な連携行動を展開して参加者の体調管理に配慮している。かんかん照りの海岸では「もう10年以上来ている」という80歳を越えたご婦人がいらしたり、海を泳いでプラカードをかざすおじさんがいたり、いくつかののぼりをたててシュプレヒコールを送る集団がいたり、それぞれが思い思いの行動を起こしていて、すがすがしい。しかし海上ではカヌー隊が海保の不当拘束との激しい闘いを繰り広げている。海を守るはずの海保はいったい何をやっているのか?隣でNボスが「海保はN井真を逮捕せよー」と叫んでいた。ほんとだっ!海上行動隊、がんばれええええええええ。波を伝って声を届けることができただろうか。引き続き東京の空の下で応援し続けたい。

2014年8月 5日

オイコノミア研究会!

テレビ番組にも「オイコノミア」というのがあるが、N谷ボスの主催で6月あたりから不定期開催されている我らが「オイコノミア研究会」、昨日4日に第二回が立教大学にて、同大学オープンキャンパスのにぎわいもよそに開催された。テーマは研究仲間のKさんの新著、というかデビュー作『経済的思考の転回』を読む!であった。経済思想史の研究仲間のIさんと、文化人類学者でM.モース研究のMさんがコメンテーターだったが、その前座で当方がベーシック・コメントすなわち内容紹介をさせていただいた。何年もかけて執筆された博士論文と、それにさらに手をかけて仕上げられた単著を30分で解説、というのは気がひけたが、構造的にすっきりした本なので、えいっ!と論点を絞って紹介させていただいた(Nボスに「チャート式」と言われた。はははは)。
 参加者はなんと40名にせまり(あるいは超えていた?)、準備をしてくださったAさんはレジュメのコピー増刷に奔走。しかもその顔ぶれたるや、分野も関心領域もさまざまな多士済々、年齢層は比較的低め(平均年齢は、うーん、30代後半というところか)の活気溢れる面々であった。著者Kさんのリプライはどれも見事なもので、議論には各種の異質な言語(いや、日本語には違いないのですが)が飛び交い、とても刺激的な研究会となった。池袋某所に場所を移して行われた懇親会にもこれまた第二セッション炸裂!のような勢い。夜遅くまでたいへんにパワフルな会合であった。
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午前中は4年ゼミ生3名のみなさんに先日の集中ゼミ時の報告のフィードバック。あの日も激烈だったが、報告者たちからは「もっといろいろ突っ込んだコメントがほしかった」との声。そうねー、がんばって準備したのですものねー。当日参加者のみなさんには、その後でも気づいたことがあったらぜひ報告者にお便りしてくださいまし。で、ゼミ生諸氏にはもちろん論文準備をがんばっていただきたいが、あまり直接役立つものだけを追いかけるのではなく、せっかくの夏休みですから、どーんと広い心で知的関心を拡げていろいろインプットしちゃってください!住む街が提供してくれる映画や音楽、各種イベント、海や山、訪れた都市の街並み、いつもと異なる人びととの出会いも、みーんなよい栄養になりますぞ。

2014年8月10日

吾輩は生ける石である?

いよいよ台風11号の影響が東京にまで迫ってきて、外は暴風雨である。川内原発のパブコメが15日までなので、資料を読んでコメントを書いていたら、心も暴風雨になった。やたら分量ばかり多くて肝心な点の対策については書かれていない。「科学的コメント以外は受け付けない」? はあ?科学社会論の論者たちがそういう問題ではないと明らかにしている知見は無視ですか?まったく腹立たしい。
気分を取り直すために、数日前に参加したイベントのことを少し。下北沢のB&Bは、Bed and Breakfast ではなくBook and Beer。まるでどこかの本好きの友人の家の本棚を見るような並べ方で、本を大切に並べて夜中まで開けてある本屋さんの空間は、居るだけで心地よい。そこでは毎日、本に関するイベントが開かれている。うーん、なんとも贅沢である。先日はかの若き俊英M氏が翻訳した『猫の音楽』について、当のM氏がゲストとともに登壇してトークを行った。

手に取った誰もがうわあお、と驚嘆してしまう表紙のヴィヴィッド・カラー、猫と音楽というテーマのお洒落な感じとは裏腹に、中身は結構エロかったりグロかったりする。猫は他者であり、その音楽は中国の音楽?!うわああお。邦訳にもはさまれた数々の絵図に加え、原著がCD付きであったということで、各種の猫の音楽を織り込みながら、なんとも見事に準備されたM氏ワールド、そこにたとえば著者レーベンシュタインはハンガリー系の入ったドイツ系の鬼才で、レーベン(ライフ)・シュタイン(ストーン)つまり生ける石である...、というような語りに、集まった聴衆は魅了された(用意された椅子では足りずに椅子が足され、会場スペースが拡大されたほどの盛況)。登壇者お二人のお知り合いであるという詩人兼編集者A氏の語りも嬉しいサプライズ、セッション後のおしゃべりも楽しかった。はうーん。しかしそんな余韻と裏腹に、「西洋は東洋という巨人の肩の上に乗って東洋を支配したのだ」というA.G.フランクの『リオリエント』のことを思い起こしてしまう、ミドルマウンテンであった。(?)うーん、これだから思想史はおもろい。

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