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2011年12月 アーカイブ

2011年12月 7日

GBP

はー、ブログ書くのは久しぶりー。先週以来、一昨日の大仕事のために相当のエネルギーを費やしたが、無事に一段落して昨日は久しぶりにふつーに授業を行い(いや授業はいつもふつーに行っているが)、その後ふつーに@506で夏のイベントの記録誌のための仕事をしてという、ザ日常を享受した。そんな折、傍らで働くRA某氏がゲラゲラ笑いながら「GBP」というのを教えてくれた。なに、それ? えっ...「が(G)んば(B)っぺ(P)福島」って? 「これってヤングパインですよね」とのこと。はい、前回の拙ブログから続く小ネタでした。ちゃんちゃん

さて、おとといの大仕事は朝から福島での記者会見、かつて拙ブログに書いた学会問題の一件である。大方の新聞が取り上げてくださいました、ありがとうーん。文中では当方はだいたい「○○大学M教授ら...」の「ら」として登場しているが、河北新報さんには拙コメントも載せていただいた。いえい。 下記に河北さんの写真から。
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当方のメインメッセージは「一番不安に直面している福島の人々の心に寄り添いたい」であり、このときばかりはカメラ目線で(?)力説したのだが、コメントに載ったのは「数に恃むというもっともまずい民主主義の形態」というところだった。ひゅるるー 

そんな折ドライブでお世話になったK先生からメールがあり、テレビで「中山さんが吠えている」姿が映ったとのこと。げっ ほ、吠えてる...?!てか、「ら」の人も映像に出るわけ?わずか5分強しゃべったあの言葉、この言葉が走馬灯のように(そりゃ違うだろう!)頭を駆け巡り、隣で話したM先生の対照的に冷静な語りが今更のように思い起こされる。ああ いったいどの場面が... すると先ほど某先生からテレビ映像のファイルが送られてきた。ので、恐る恐る見てみると、「十分な議論もなしに... 多数決に持ち込むという、民主主義のもっとも悪い形態を...」の場面で、ま、たしかに「吠えて」ますわな... しかしメディアにはやっぱ「民主主義」とかがポイントになるんだな。ふうん 


2011年12月 8日

関連情報はこちら

先の一件、関連情報をご覧になりたい方は、A先生の資料集が大変包括的です。A先生、ありがとうございます!!

http://d.hatena.ne.jp/akamac/20111208/1323311711

2011年12月11日

「大学生が読みたい本を企画する」

昨日12月10日(土)は大東文化大で若い研究仲間たちが行ったインカレ(インターカレッジ・プレゼン大会)に、ジャッジの一人として参加してきた。テーマは表記の「大学生が読みたい本を企画する」で、企画をたててそれをプレゼンテーションするというものである。ジャッジには研究仲間のK氏と当方が大学教員として参加したが、もうお二方、ダイヤモンド社の現役バリバリの編集者Y氏、NHKの現役バリバリのディレクターU氏が務めてくださった。現実味がぐぐっと増す、何とも豪華な布陣である。5大学から5チームが参加し、このインカレで伝統ある神奈川工科大学・師玉ゼミが圧倒的な強さを見せて優勝した。理系の「制作系大学生」(オタ...)も大学生だ!という出発点から、見事なデータ力とプレゼン力で「こりゃー売れるな」と思わせる企画を示し、ジャッジ一同をうならせたのである。しかし昨日集まった30人ほどの若者たちはみな前向きにこのテーマに取り組み、インカレの雰囲気はとてもよかった。楽しかったわーん。おそらく彼らも楽しんだのだろう、インカレ後に教員抜きの懇親会をその場で企画し、有志が参加した模様である。

しかしすべてのプレゼンに共通した問題関心をみるにつけ、大学生の多くが「友達が少ない」と感じ、より正確には「それを周りに知られること」を気にしているという現象に驚かざるを得なかった。大学1,2年生がメインでまだゼミがないからだろうか。キャンパスライフはさみしいのか... また「本」を考えるときに。とても実践的な本(ハウツーに近いような)をイメージするところに、彼らの日頃の本との関わり方を見る気がした。テーマ設定は絶妙だったので、一チームぐらいは荒唐無稽な本をイメージしてくれたら、もっと面白かったかもしれない。まーそれは大学生から離れた、大人の目線なのだろうが。

2011年12月17日

あいの夢

年の瀬、押し迫ってまいりましたねー。ウチのゼミ生諸氏は各種論考 -沖縄論考(入稿してゲラ待ち状態、印刷のMさんが「力作ですねー」とおっしゃってくださいました!)、卒論(ラストスパート)、ゼミ論(章立て、出してないのは誰かなー。もう書いてるのかなー?)― に全力投球の日々と思われる。実は当方も9月中旬ぐらいからずーっと原稿に苦闘している;某社の野心的な「最強の」教科書プロジェクトである。いや、論文を書くのは仕事だし好きなのだが、教科書(何人かの共同執筆ではあるのだが)を書くのは実に難しい;幅広い目配りと適切で体系的な「啓蒙」、ああ当方のなんとも不得意なところよ... もちろん日々の授業ではある程度それらを盛り込むのだが、それでも元ネタをどのように、その日そのときの「ライブ」として聞き手にお届けするかが勝負である。かつてK大に勤めていたころ、「講義はロックコンサートだ」というドゥルーズの言葉を引用して一文をものしたことがあったが、同じく当時から教壇で語っていた「講義担当者はサービス産業従事者である」という命題とともに、今も基本的にはそうだと思っている。いや実際にどこまで実現できているのかは別問題であるが、いずれにせよそんなわけで、一冊の書物としての教科書は何とも難しいのである。書物の夢は、長くさまざまに読まれて生き延びつつ、いつかどこかの誰かに書き手の思ったとおりに言葉が伝わる(アドルノが言ってたよーな)ことだろう。しかるに当方の動機だと、教科書は元ネタを知識として提示しつつも学ぶ人の心と頭にがーんと響いて定着させるために、オリジナル・バージョンから都度都度、更新され上書きされる、ちょうど電子本がはっちゃけたような(?)あり方を求めることになるのだ。ああ、iの夢... (つまんねーオチ)。フランツ・リストじゃなくてごめんよー。

そういえば先週のインカレの準優勝チームは、「大学生がさまざまな体験をして、それを電子本に載せる」という企画を出していた。なかなか迫真のよい企画だったが、当方は「本ってなんだろうということを、もう一歩突き詰めて考えてみようね」とコメントしたのだった。一冊の本には聞き手に届けたい一貫したメッセージが必要だよという言葉も添えたはずだ。あれっ?つまるところ、当方自身も同じ地点で悩んでいるってわけか?!オウ、なんて迂闊なワタシ!

2011年12月22日

HPが更新できない!

いつか何かを失敗したらしく、ここ1か月ほど自宅パソコンで拙HPを更新することができずにいる。昨日(21日)は卒論・ゼミ論応援ケーキ会を開催したというのに! 悔しいので、とりあえず一枚だけここにアップしておくことにするー。

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日も暮れて終わりごろ。参加者たちの表情がナイスだが、これではケーキ会ではなく単なる小ゼミ終了である。ので、それっ!もう一枚だっ(ケーキの最盛期)


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何とか近々回復させたいと思っていますー。

2011年12月29日

そして明日へ

ようやく年内の残り仕事が数えられる程度になった;ひとさまの事情も同じらしく、年内に片付けよう!となさったであろう通知などが届く。そんな中で告知ふたつ。

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反原発デモをおこなってきた諸団体がゆるやかに集まり、「脱原発世界会議2012YOKOHAMAと大行進を行うという。が、開催日程が1月14日。大学入試センター試験の初日で、当方含め大学関係者の多くは仕事日なのだ。ざんねーん;で、もう一つは
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こちらは9月19日に6万人を集めた「さようなら原発1000万人アクション」の主催で全国主要都市「一斉アクション」を呼びかけるものだ。東京は代々木にて(他の都市など詳しくはHP参照)。この通知は、当方が身近な人々にお願いしたささやかな署名リストを送った返信として送られてきたものである。アクションのニュースレターも入っていて、9.19集会時の武藤類子さん(ハイロアクション)のスピーチが載っている。このデモは新聞やテレビなど大手メディアが初めてちゃんと取り上げ、武藤さんのスピーチの一部も社説などに引用された。「私たちは何気なく差し込むコンセントの向こう側を想像しなければなりません。差別と犠牲の上に成り立っていることに、思いをはせなければなりません。原発は、その向こうにあるのです」。もちろんこの部分だって相当に印象的である。しかしもっと強烈に受け手を射抜く言葉はその前にある。

「次第に鮮明になってきたのは、事実は隠されるのだ、国は国民を守らないのだ、福島県民は核の実験材料にされるのだ、...私たちは捨てられたのだ...ということです。...私たちは静かに怒りを燃やす、東北の鬼です」。

豊かに暮らしていた人々がみずからを「鬼」と名乗らなければならない怒りの深さに、改めて感情が沸騰してくる。なんとなくの流れで許してはならないものがある。誤りを犯したものはそれを認めねばならず、犯罪は裁かれなければならないのである。(武藤さんのスピーチをアップしてみやう →Muto20110919.pdf )

沖縄でここ数日、姑息なやり方をした政府に対して人々が「怒」「怒」「怒」の一文字を掲げて関係者を取り囲んだ様子が、福島の怒りとオーバーラップする。怒涛の2011年が終わろうとしているが、問題は何も片づいていない。2012年も日々を大切に暮らしながら、いざというときには鬼にならなければならない。コワイというなかれ、これが現実である。

拙ブログを読んでくださったみなさま、ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えくださいませー。

2011年12月25日

サウダーヂ。やばい、必見!

メリークリスマス三連休。この機にやりたいこと(被災地訪問とか温泉とか...えっ?)もあったのだが、結局は目先の仕事の片付けに充てることに。それでも先日は、例の教科書プロジェクトの担当章草稿を書き上げた(やったー!!!思わずクリスマスソングを鼻歌しちゃったよ)タイミングを生かして、渋谷で富田克也監督「サウダーヂ」を観てきた。うはー、クリスマスイブに「サウダーヂ」...。会場は場違いな(失礼ながら)カップルと、いかにもな感じ(そっちのほうが失礼か)の若者諸君で結構にぎわっていた。

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パンフレットからの写真で見にくくて失礼。しかしこれは必見の一本である。地方都市甲府の土木建築業がすたれるなかで、労働者たちの暮らし -といっても地方のつつましい家族像なんかではなく、タイ風パブの女の子に入れあげたり、しがない稼ぎで続けるヒップホップの叫びも届かず極右化していったり― が追いつめられていく様を、ブラジルやフィリピン、タイなどからの移民たちの、これまた逼迫した暮らしとともに描いていく。「サウダーヂ」はご存じ(?)ポルトガル語でやるせなさ、郷愁という情感を帯びた言葉だが、サウダーヂはどこまでいっても見果てぬ夢である。デトックスに効果的とかいう名水のまやかしや、「つまりはラブアンドピースよ」と言って移民たちの音楽やダンスをプロデュースする女の子のあやうさの描き方はなかなかであり、友情出演に気合を入れてオールバックで臨んだとかいう社会学者M氏の「地方議員」さんぶりも笑える。
ロカルノ映画祭では無冠だったものの、ナント三大陸映画祭でグランプリ受賞、このたびは凱旋上映である。確かにこれこそ現代の日本発の映画であろう。しかしその闇はほんとうに深い。とりあえず1月13日までオーディトリウム渋谷にて。その後全国各地を巡回予定である。

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