先日の拙ブログでご案内した一つ目の研究会、詳細確定いたしました!以下です。
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さる5月のバリー・アイケングリーン『グローバル・インバランス:歴史からの教訓』(東洋経済新報社、2010年)邦訳刊行を記念し、訳者でありアイケングリーンの共同研究者でもある畑瀬真理子先生、この分野に造詣の深い矢後和彦先生をお招きして、テーマに関わる議論の場を設定いたしました。ご関心のあるみなさま、どうぞおいでください(入場無料)。
日時:2010年9月8日(水)15:00-17:30
場所:東京外国語大学本郷サテライト7階会議室
討論者:畑瀬真理子(日本銀行金融研究所)
矢後和彦(首都大学東京)
(終了後に近くでの懇親会を予定しております)
いらしていただけるかたは、中山(nakac@tufs.ac.jp)までぜひご一報くださいませ!
ところで、7月にボルドーの学会で観たアイスランドのフィルム(Maybe I Should Have (Gunnar Signurdsson, 2010, 94min.))、昨今の経済危機を考えるためにも、やはりどうしても何らかの形で活かしたいと思い、少し下準備を始めた。当初は講義その他で使えればと考え、字幕制作会社に頼もうかと思ったのだが、ちょっと調べてみると40万円以上かかるとわかって二の足を踏み…。以下、フィルム宣伝のチラシの試訳である。
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ドキュメンタリーフィルム Maybe I Should Have は、アイスランドの平均的な市民、つまり世界で有数の、豊かで汚職のない国に住んでいると信じていた一人であるグンナーの物語である。ある日、彼の世界は動揺し始め、数日のうちにアイスランドで最も大きな三つの銀行が、まるでドミノ倒しのように破産してしまった。
突然グンナーは、彼と同じく何の疑いも持っていなかったほかの市民たちと同様、自らが築いてきたものをすべて失いそうになっていることに気付いた。アイスランドは、人口わずか32万人の国だが、彼らが信じてきたすべて、つまりメディアや政府が彼らに語ってきた、いかにすべてが順調かという話は、まったくの幻想だったのである。
世界は動揺し始め、アイスランドの市民たちは何ら警告も受けず騙されていたのだと気づいて、抵抗のために街へ出た。抵抗する者たちが警察と暴力的に衝突し、警察が彼らを暴力的に扱うという、この北海の平和な小国には、これまでほとんどなかった事態となった。何が起こったのだろう?何が間違っていたのだろう?なぜこんなことになったのだろう?銀行に蓄えられていたはずのお金は、いったいどうしてしまったのだろう?それは、アイスランドの大口投資家の一人がいう「貨幣の楽園」にあったのだろうか?
こうした問いかけに答えを見つけるべく、グンナーは旅に出た。真実を見いだせるという希望をもって。彼は、すべての貨幣が置かれているというロンドン、ニューヨーク、ワシントンDC、ベルリン、ガーンジー(イギリス海峡諸島中の第二の島)、ルクセンブルグや、英領バージンアイランドの小さな島トルトラへと向かう。真実を求める探求の途上で、彼は経済学者や大口投資家、政治家、法律家、リポーター、銀行家やその他多くの人々に会い、答えを得ようとするのだが―。
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まずは知り合いの映像ディレクターSさんのところにデータを送って、感触をうかがうことにした。さて、どうなることやら。