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2010年7月 アーカイブ

2010年7月17日

増刷決まる(拙著ではない)

先日、ナカニシヤ出版のSさんからメーリスに連絡が入って、若手のみなさんと書いた『ビジネス倫理の論じ方』が増刷決定になったとのこと。わあーい!それから次々の書き手の皆さんがメーリスに喜びと感謝を書き込み、すでにお祭りのような賑わいとなった(祝杯はもちろん、別途あげる)。和気藹々と研究会を重ねて作った本なので、感慨深い。もちろん専門書の小部数なのだが、それでもそれだけの人びとが手に取ってくれたというのはありがたいではないか!

で、今日は月例の現社研でワセダに行ってきた。今回のテキストは千葉眞『「未完の革命」としての平和憲法』(2009年、岩波)と長谷部恭男『憲法と平和を問い直す』(2004年、ちくま新書)、それに論座2005.6の井上達夫「挑発的!9条論」が補助テキストだった。2005年前後の改憲をめぐる怪しい雰囲気が思い出される;とともに、「抑止力は海兵隊ではなく、日本国憲法が持つ」という議論の意味で、今日的なテーマでもある。3時間ほどかけて議論したが、たとえ理念的・希望的すぎるきらいがあっても、そしていろいろな細部の問題(と補完的な議論の必要性)はあるにしても、9条を人権と平和へのグローバル・ヒストリーにおける一里程として「未完の革命」と位置づける千葉の立場を、何とか評価できるという、めずらしく明るめ(?)の結論に落ち着いた。

2010年7月27日

ドラッカー・ブームのさなかに;

『現代思想』の最新号(2010年8月号)が、ときのドラッカー・ブームにのって、まさかのドラッカー特集である。なぜかそこに拙稿を載せていただいた。当方、もちろんドラッカー研究者ではないが、かのカール・ポラニーとの深い関わりがあることは頭の隅にあり、またマネジメントの概念については、研究的な関心領域でもあっため、一応『もしドラ』も読んでおり、思うところがなくはなかったのである。原稿依頼をいただいてから勉強しているうちに、そういえば数年前に某K東書店が『オーストリア・エコノミスト』の復刻版を出した際、短い宣伝文の依頼をいただいてドラッカーの『傍観者の時代』から引用をしながら書いたことを思い出した。さらには、わがスクラップブック(新聞その他を切り抜いて集めること自体、今や時代物)の一角にドラッカーの記事があったことも思い出した!

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2001年4月23日、日経・夕刊とメモがある。いやはや、なつかしい。まだドラッカー存命の頃である。ウィーンに関係があるという内容だから切り取っておいたのだろうか。よもや、9年後にドラッカーを論じることになるとは思いもしなかった。こうしてみると、自分でも思ったよりドラッカーと関わりがあるのだろうかー。とはいえ、やはりにわか勉強の感があって、完成稿をみても、たいした知識もないくせにしゃあしゃあとつまらないことを書いているようで、何となく冷や汗が出る。依頼原稿はコワイ、コワイ。

と思っているところへ、昨日また別件の依頼をいただいた。ぐおおおお!(いや、声をかけていただいて、とても感謝しているのですが)。こうやって、もがきながら日々精進、地道に研究を進めてゆくより他に道はない。がんばります、はい。

2010年7月14日

ボルドー&パリ(今日はパリ祭)

学会のため、ボルドーに行ってきました!大西洋に面して風が心地よく、日差しがとても強い石の街並みです(左の写真は右の塔の上からの眺め)。

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学会のひとつの目当ては、ポラニー研究者のお二人、ミケル・カンジャーニさんとクラウス・トマスベルガーさんに会うことで、三人でセッションを組みました。写真は会場近くのボタニック・ガーデンで昼休みに。
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学会はその名に恥じず、マルクス経済学(とくにアメリカからの人が多かった)、ネオリベ批判(ラ米とかアフリカのケーススタディなども)、グリーン・エコノミー、フェミニズムと「異端派」を名乗る(?)さまざまな人々が集合。同時セッションの数もとてもたくさんあって、いくつも聴けないのが残念でした。が、面白かったのは映画を2本みたことで、一本はアイスランドの監督(といっても初監督)が昨今の国家 -そして自らの― 破たんを描いたドキュメンタリー"Maybe I should have"、もう一本はアメリカのマルクス経済学者 R. Wolffが危機をわかりやすく講義する"Capitalism hits the fan"、特に前者は日本にいるとほとんど知らない諸事情を、マイケル・ムーアばりの体当たりインタヴューを織り込みつつ描いており、大変よい出来。何らかの形で日本で紹介できたら面白いだろうなあなどと思いつつ、DVD購入しました。

もちろん最後の晩はワインの「城」探訪とそこでのテイスティング、ディナーというクライマックスでした。ここでは1本300ユーロとかいう、とてつもない高級ワインを作っているとのこと。
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こちら、われわれのテーブルですが、何だかたくさんの空のグラスが…
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日本からの若い2人の研究者、佐藤さんと大野さんにも出会いました。
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で、帰国する前の日にパリまで戻り、晩にはN谷ゼミ院生の悠介くん、周くんのお二人、PDのゆきゆきとの会合に、中山ゼミから留学中のエリーも来てくれて、なつかしく再会。しかもなんとその日の夜中に卒業生のジョンアがパリに到着。翌日に驚きの再会@パリ!を果たしました。みんな、忙しいところをありがとう!!
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みんなはきっと今頃(マイナス7時間だからまだかな)、パリ祭の花火なんぞを満喫しているのでしょうか。こちらは追い込まれていた仕事から解放されて脱力&時差ぼけ… 日本は梅雨だったのだ…

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