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政治の季節?

「政治についての意見は、ほとんど常に不十分な情報から疑わしい手続きで引き出された不確かな結論である。…「政治」は、徒党を組んで行うほかない事業である。来る者は拒まず、去る者は追わず、これはいわば私の個人的信条だが、「政治」的行為は、来る者を拒み、去る者を追い、殊に他人の生活に力を用いて介入する。故に私は「政治」を好まない。しかし「政治」は、こちらから近づかなければ、向うから迫って来る何ものかである」。

加藤周一『言葉と戦車を見すえて』(ちくま学芸文庫、2009年)に収録された「政治について」からの一節。当方にも、とても腑に落ちるところがあった。当方もまた、政治が好きではない。だいいち、徒党を組むのが嫌いである。が、普天間の問題が向こうから迫ってきた。それで拙ブログにも何度か載せた。そして明日である。
沖縄が5月16日に市民による普天間基地包囲を行うのにあわせて、東京でも国会付近でヒューマンチェーンをやるという。先日のキャンドルナイトは1200人の参加でなんとか人文字を作ったが、明日(あ、もう今日か。5月14日です)いったいどれだけの参加があるのだろう(詳しくはhttp://nobase.org/
にて)
メ―リスでいろいろなものが回ってくるが、来週にかけては岩国をはじめとする全国の基地近隣の市民によるさまざまな反対の運動があるらしい。集まる人数からしたら、「季節外れ」な結果となるかもしれないが、実は政治の季節が来ているのだと思う。もちろんそれは、政局のことなどではまったくない。

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2010年5月13日 12:53に投稿されたエントリーのページです。

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