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2010年4月 アーカイブ

2010年4月 7日

2010年度、始まりました!

そうこうする間に2010年度、始まった。その直前、昨年度末にようやく出来たのが、西谷ボスを代表者とする科研(=科学研究費研究)プロジェクトの後半のシンポジウムを集めた、この記録集である。

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で、上記の科研プロジェクトはめでたく終了したのだが、その続編として4年計画でで申請した科研プロジェクトの内定の知らせがあった。おめでとうございます!というか、当方も引き続き分担スタッフである。これでまた4年は安泰(?)かつ忙しい。
一方、当方自身が代表者になって計画した、もっとずっと小さな科研プロジェクトは落選。結構意欲的なプランだったのだが、「経済を”審問”」したりしているから、経済思想部門から愛されないのかもしれない。ヒュルー

2010年4月17日

研究会@ワセダ

今日は普天間問題に関するシンポジウムの続編があるというので、ワセダの国際会議場へ出かけた。今回はむしろ、岩波から先ごろ出た『沖縄論』を記念してという主旨のようであった。巨大な会議室ではなかったが、さまざまな年齢層の参加者で一杯であった。決して値の下がらない軍用地が金融商品になっているという話しなど面白かったが、後半の時間帯は失礼して別の研究会へ参加した。同じ早稲田の某室で行われていた政治学関係の若手の人々の研究会(略称、現社研;げんし研ではない)である。この研究会は毎回、現実に密着したベタなテーマを議論するという主旨だそうで、今回は立岩真也さんの『税を直す』(青土社、2009年)が課題図書であった。どちらかといえば哲学的なスタンスから、税の問題を考えるという本である。直前に、もっとベタな現実のハナシを聴いていたこともあって、「現実」のレベルをさまざまに議論せざるをえなかったが、これはこれでとても面白かった。
昨日は日帰りで名古屋大の長尾先生のところへ呼んでいただき、出版関係の打ち合わせと院生さん向けの講義をさせていただいた。そういえば先週末は社会思想史学会の幹事会に出たのだった。体力がなく、身体も強くないと自認する当方だが、そのわりにひょろひょろ出かけていく自分が他人のように感じられる。気候が異常なせいもあるが、風邪の名残をまだ引きずっている。いかん、今日こそは早く寝ようと思ったのに!

2010年4月21日

構造的暴力・再考

わが大学時代のゼミ師匠である西川潤先生が先ごろ、『島嶼沖縄の内発的発展』(藤原書店)という本を、共著で刊行された。院ゼミ当時の兄弟弟子(というのだろうか?)かつ現在の外大の同僚、宮田先生なども執筆されているのだが、これがなかなか面白い本に仕上がっている。沖縄の内発的発展をという視点には、すでに30年以上の歴史があるが、ここに「島嶼」という視点が重ねられるところがポイントである。

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ちょっとぶれた写真であるが(すいません)、表紙もなかなかインパクトがある。ともあれ同書においては「島嶼」を起点に諸論が展開される。たとえば日本が琉球処分を行ったことを中国がどう見ており、それが現在にどのようにつながるかとか、日本の近代化の中で包摂された異なるアイデンティティという文脈一般から沖縄がどうみえるかといった視点は、これまで断片的に指摘されてはいても、十分には論じられてこなかったものである。
また、平和学の視点から「開発の暴力」をとらえるという論考も重要である。沖縄でこの4月25日に県民大会を開催するというので、本土にもいくつかの動きがあり、アメリカの新聞に広告を載せようとか、当日は本土でも人文字をやろうとかお知らせが来る。メディアはひたすら、5月決着の「責任」を書き立てるが、問題は正体不明な(?)「日米同盟」(そんな同盟がいつからあるんだ?という問いは正しい)であろう。これを含めて思想的な問題は、まさに「暴力」の主体のはっきりしない「構造的暴力」の顕著な表れなのだと、あらためて思う。一昨年ぐらいから当方もこの概念を論考や授業で扱い、並行して他の人々の論考にもちらほら見るようになった気がするが、なお議論が必要である。

2010年4月25日

学会ツーリズム・アニマル

国際異端派経済学会(訳すとなんだかものものしい)が7月に行う今年の大会に出していたプロポーザルが通ったというお知らせが来た。このたびの金融危機が経済学の危機であることも踏まえたテーマ設定なので、最近考えていることを一度英語でまとめておこうと思い、出しておいたものだ。わーい!で、麗しのGWはペーパー書きにいそしむことになる。
5月末には、ドイツ社会政策学会の経済学説史部門の会合に招かれている。といっても、旅費は自前でコメントと議論をしに行くだけなのだが、この学会はすでに百年以上の伝統のあるもので、呼ばれるだけでもありがたい(さすがにいつまでもドイツオンリーというわけにゆかず、外国人を積極的に招いているのだろうか)。ほんとうは昨年度の招待に応じる予定だったのだが、インフルエンザ騒ぎでキャンセルしてしまったので、今度こそはと思っている。そういえばこの間、拙著を仕上げるために学会ツーリズム・アニマル(=つまり学会をきっかけにあちこち旅するというヤツ)的性質を控えていたのだが、実はいわゆる学業を修了して以来、こうやって武者修行(?)をさせてもらってきた。久しぶりの遠出に血が騒ぐ~。

2010年4月27日

カバッソの晩に

今日の晩は外大の同僚H先生の主催するピアノ・リサイタルを聴きに行った。ローラン・カバッソ@武蔵野市民文化会館である。プログラムは、ショパン・シューマンの記念イヤーを意識したもので、冒頭のモーツアルト以外はショパンとシューマンを各2曲。特にラストのシューマン「謝肉祭」(この曲、大好きー)は白眉であった。ま、のってくるとテンポアップしたくなる曲なのだが、世界にひとつといわれる「カバッソ・タッチ」のキラキラした粒のような音と濃密な重層的響きを、ものすごいテンポで駆け抜けつつ聴かせるという、凄まじくも美しい演奏。(そういえば休憩時間に「攻殻機動隊って知ってる?」「手が三十本ぐらいあるみたいねー」と評している人々がいた。うまいこと言うなあ)。

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残念ながら「謝肉祭」は入っていないがシューマン・プログラムのCDを休憩時間に買い求めていたら、K学長にお会いした。学長も同じCDを買っていた。ぷぷっ 会場では同僚のK先生ともお会いし、「え、トランペットを吹くんですか?(米文学だけじゃなくて)」というような、いつもはしないような会話を交わし、その向こうには仏文学のM先生(画伯)のお姿も… 。
大満足で帰宅して、今さっそくシューマンを聴きながら、これを書いている。ああ、美しいカバッソ・タッチが甦る。

2010年4月24日

引き続き

久しぶりによいお天気でオフの土曜日!少し丁寧にお掃除をして、洗濯物を干し、気分爽快である。

ところで、拙ブログで紹介している「普天間問題に関する声明」第二弾が昨日出された。送られてきたメールの関係個所を下記に張り付けてみやう。

「呼びかけ人は第二の声明を出すべきだと考えました。そして今回は沖縄の人たちとも共同して声を挙げようと考えました。沖縄にも、本土にも、代替基地を受け入れることはもはや無理であり、それは米海兵隊の撤退を求める以外にありません。今回は、その主張をはっきりと打ち出しました。4月23日、東京と那覇で同時に発表しました。下記のフォームにアクセスし、署名して返信してください。また出来るだけ多くの方々に転送してください(目途として5月20日を考えております)。英訳したものもあり、国際的な署名も求めていきます。いま、日米安保と米軍基地を変えていく、決定的に重要な時点に来ています。よろしくお願いします。
                          声明呼びかけ人(世話人)
                              岡本厚
一般署名
http://form1.fc2.com/form/?id=501657
英語署名
http://form1.fc2.com/form/?id=539738               」

(あと4月25日の人文字とかキャンドルナイトのイベントは http://nobase.org/ )

昨晩は、湊千尋さんの『書物の変』(せりか書房、2010年)を手がかりに、電子本などに詳しい友人からそのあたりのレクチャーをしてもらいながら、研究会ディナーを数名で囲んだ。かなり、おもしろかった。メンバーのひとりは最近ツイッターを始め、しばらくは「酔った」という。いや、魅惑されたのではなく、乗り物酔いの感覚である。ふーん。なんだか、たいへんな時代である。1930年生まれのセンセイも参加されていたが、センセイはパソコンもEメールもしない。親しいはずの講師が宇宙人に見えたかもしれない。

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