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Revolutionary Roadと郊外問題?

先日の谷川シンポジウム後の懇親会で、デヴィット・ハーヴェイ『新自由主義』の役者のお一人である木下ちがやさんと少しお話しすることができたのだが、そのとき、映画Revolutionary Road(サム・メンデス監督)が実はハーヴェイ的世界を描き出しているとうかがった。主演が『タイタニック』のカップルということで人気のこの作品を、昨日ようやく近所のビデオ屋から借りて観た(夜更かし)。
 映画としての出来、あちこちのツメの甘さなどはともかくとして、確かに都市郊外の逃げ場のないやりきれなさが描かれており、ハーヴェイの都市論の世界といえるかもしれない。時代は1950年代のアメリカ、原作(リチャード・イエイツ)は1961年に出たとのことなので、当時の社会に潜む問題を浮き彫りにしたのだろう。しかし、く、暗い。熱演する俳優さんたちが気の毒なほどに、人間や社会がみじめに描かれている。「精神の病とされた数学者の隣人」が吐き出す台詞は、生前、作家として認められることのなかった原作者の叫びに違いない。

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2009年6月19日 09:17に投稿されたエントリーのページです。

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