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へんいしゅ考

これは、未来の予測を含んでいる与太話なので、
論文になるはずもない。なので、ブログに書いちゃいます。

「ふんい気」が、2ch方言で「ふいんき」になってしまうように、
「へんいしゅ」が、「へいんしゅ」になってしまうんでないかという
説が、Twitter界隈で、複数流れてきました。

そこに一言、二言。

まあ、かなレベルで議論していたら、「んい」が「いん」に
なるかならないかという話までにしかならないでしょう。

そこで、IPAのご登場。

「へんいしゅ」は、「ん」を鼻音性を持っている人が発音すれば、
[ɸɯĩikʲi]的な発音になっているでしょう。
もちろん、初頭の「ふ」の子音にバリエーションはあるでしょうし、
「ん」が鼻母音だとしても、その音価にバリエーションはあるでしょう。
でもそこは、今回問題とはしません。

私の予想では、「へんいしゅ」が「へいんしゅ」になるという
音位転倒(メタテーゼ)よりは、

[ɸɯĩikʲi]が、[ɸɯĩːkʲi]に変わる感じで、
[heĩiɕɯ]が、[heĩːɕɯ]へと変わって、
鼻音声が後方にスプレッドするのではないかと踏んでいます。

その後は、鼻母音が脱鼻音化して、heiiɕɯ]辺りに
落ち着くのではないかと。

[heiiɕɯ]と書いているのは、音節境界が[ei.i] ~ [e.iː] ~
[e.i.i]のどこに落ち着くのかを、ピンポイントに言うのを
避けています。[eː.i]もあり得ますね。

これは、[dzeẽiŋ](ぜんいん)が、[dzeːiŋ](ぜーいん)に
変化するのと似たようなプロセスではないかと考えています。

閑話休題。

ところで、私が未就学だった頃に、「雰囲気」の発音は、
[ɸɯŋʲiːkʲi](ふき°ーき)だと思っていた時期がありました。

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2020年12月29日 11:38に投稿されたエントリーのページです。

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