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しいたけのつゆ

今、アンタナナリブは朝4:20。

夢の中で、突然亡母のしいたけのつゆのことを思い出した。
そうめんのつゆ。

昭和の夏になると母は、そうめんのつゆにすると言って、
干ししいたけを水に浸けてもどし、つゆを作った。

僕がおガキ様のころ、その味が大っ嫌いだった。
市販のめんつゆの方が好きだった。

子供の味覚ってそんなもんだよね。
安っぽい。

まあ、ちょっとだけディフェンドしておくと、
子供の感覚器っていうのは大人の数十倍も鋭くて、
許容範囲をすぐに超えてしまう。

野菜嫌いもその辺りと、苦味その他を生命に危険なものとして
避けようとする本能に由来するものなのだろうけど。

それから、唐辛子で辛すぎるものがダメなのもそれ。

でも、その感覚器が鈍感になった初老の今、
ムショーに、母のしいたけのつゆでそうめんが
食べたくなった。

杉民生大先生の「生産性」じゃないけど、
伝えられないと絶えてしまうのは、
なにもDNAだけじゃなくて、
(DNAのジーンプールってのは、
 たとい近親で伝えなくても
 地球上のどこかにはあるだろうけど。)

(それから、ホモサピエンスの次の
 ホモナントカが出てきて、
 ホモサピエンスに打ち勝ってしまったら、
 ホモサピエンスのジーンプールは
 ほとんどが洋梨になってしまうだろうけれども。)

(まあ、「生産性」はDNAだけじゃないって、
機内で視たボヘミアン・ラプソディで、
子供を作らなくたって、
フレディー・マーキュリーだって、
マイケル・ジャクソンだって、
あんなにたくさん遺したものあるじゃん!
とは思ったけどね。)

「文化」も伝えられなければ絶えてしまう。

母の味もそう。

今だと父の味や、ノンバイナリーペアレントの味もあるだろう。

あと、今まで付き合ったパートナーの味とか。
あ、パートナーが作った食べ物の味という意味で。

おい、タクマ!
ママの味、今は当たり前だと思って食べているだろうけど、

自分でも作れるようにしておくか、

(家父長制的で、ジェンダー役割的で嫌だけど、)
誰かに覚えてもらうか、

密かにレシピをどんどん書きまくっておいてもらうか、

クックパッドに、日本語圏の群衆に対して
大公開してもらうかしておかないと、

その内に食べれなくなるぞ。

(お姉ちゃんに伝わっているものはあるかも知れないけれど、
 毎食をお姉ちゃんに作ってもらうという関係は、
 今の世間様的には、ちょっとアレかも。
 あ、家族の1つのカタチとしては僕はアリだと思うけどね。)

んなことを思いながら、
帰国するころには、もうそうめんの盛りを過ぎているかなとも
思いながら、

干し椎茸と、醤油と、みりんと、砂糖とあと何だろう。

ちょっと違う他所様のご家庭の味だろうけど、
僕の大嫌いなウィキペディアによう似た
クックパッドにいくつか挙がっているだろうか。

もし挙がっていたら、作ってみようかなと思ったりする
朝4:41です。

もうちょっと寝ておこう。

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2019年8月 3日 14:34に投稿されたエントリーのページです。

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