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名詞+「る」考

とある友人の呟きから:

「久しぶりに炊き込みった。」

「炊き込んだ」ではなく、「炊き込みった」なのである。

「炊き込み」をまず名詞として扱って、
それに、動詞化する語尾「る」を付ける。
(細かく言うと、派生接尾辞-rと、屈折接尾辞-u。)

この「る」による動詞派生が、
最近の若年層の口語でわりと盛んに行われている。

その際に、名詞部分が、2モーラあるいは3モーラに
刈り込まれることもある。

 デニる ← デニーズ+る
 ジョナる ← ジョナサン+る
 スタバる ← スターバックス+る

刈り込みが起こらない例は、上の

 炊き込みる ← 炊き込み+る

意味的な拡張としては、
元の名詞を基本として、
それに、あるいはそこでするに相応しい
行為をするという意味になる。

「炊き込む」は、目的語を必要として、
「何かを炊き込む」という意味になるが、

「炊き込みる」は、「炊き込みご飯」が
「炊き込み」に刈り込まれて、
それに「る」が付いて
「炊き込みご飯を炊く」という意味になっている。

「二度寝る」の過去形は「二度寝た」ではなく、
「二度寝った」。

なぜなら、これも、「二度寝」という名詞に
上述の派生要素「る」が付いたもので、
たまたま非過去終止形では、「寝る」という
形になっているが、元来の動詞の「寝る」は
下一段動詞、「二度寝る」は五段動詞になっている。

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2011年8月13日 11:41に投稿されたエントリーのページです。

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