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シロートの思案

日本語学を知らない者の思案です。

とある日本語学習者に、

「いいじゃん?」というのは、「ん(=の)」が
省略されているんですよね?

と訊かれました。

母語話者の「内省」で、それは違うと思ったのですが、
ちょっといろいろと思案を巡らしてみました。

まあ、首都方言の口語においては、「-じゃん」は
すでに一塊の語尾になってるかも知れませんが、
それを敢えて、(歴史的前段階の)分析的な形式に
分解してみました。(しかも丁寧な形式に。)そうすると、

1. 「いいではないですか?」
2. 「いいのではないですか?」

両方言える。
ただ、イントネーションは異なり、
1は、下がり調子、2は「か」で上がる。

1では、話者が「いい」と思ってそれを主張しており、
2では、話者はそれほど「いい」とは思っていないか
あるいは無関心であるが、相手に判断を丸投げしている。

「いいのだ」は言えるが、「*いいだ」は言えない。
2の「のだ」は、いわゆる「のだ」文であり、「だ」は
コピュラである。

一方、1の「で」は後続する諸形態素の承接の関係から
挿入されたものであり、コピュラとしての機能は
薄いものであろう。

とまあ、日本語学「界」では、すでに議論し尽くされた
問題なんでしょうけどね。

下手な考え休むに似たりをしてみました。

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2010年2月24日 20:57に投稿されたエントリーのページです。

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