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「何気に」考

「何気に」というフレーズ。

最近良く見かけますし、耳にしますけど、
上の方の世代の人はあまり使いません。
僕も、意を決して使う時以外は
使いません。

僕が若い頃は、これは、
「何気なく」と言われていました。

「何の気無しに」なんていうのとも
関係があるかも知れません。

「何気なく」から、「何気に」への発展は、
こう比較するとちょっとはっきりします。

何気   な    -く
「何気」 「無い」 -連用形

何気   に
「何気」 形容動詞語尾「だ」の連用形

「*何気だ」という形容動詞はまだ使われていないようですが、
「なく」の「な」という語彙的意味をもった形態素が
脱落して、その代わりに、「連用」(つまり
用言に連なるということ)を表わす語尾(助詞とも
考えられるが、深くは立ち入らないことにします)
を添えたと解釈できます。

毎年年末になると、今年の流行語なんていうのが
話題になり、順位を競いますが、
この「何気に」のような、
そういうチャートにランクインしないような
流行語の方が、却って、流行り廃りが無く、
長い生命力を保つのかも知れません。

そう言えば、「さり気なく」も「さりげに」と
使う「若い」人が出て来ています。

こちらもチャートにランクインすることは
せずに、次第に社会全体へと広がって
行くのかな?と思われます。

--

<追記>

さらに最近は、
「何気に」→「何気」
「さり気なく」→「さりげ」
という変化が起きているそう。

ことばはどんどん変わっていくんですね。
Sapirのdrift(駆流)に依るのか、
Coulmasの「選択の変化」に依るのか。

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2010年2月15日 19:06に投稿されたエントリーのページです。

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