「ブラジル人児童に補助教材」《東京新聞 夕刊》

「三井物産など作成 :計算や漢字、母国語でも解説」

在日ブラジル人の支援を進める「三井物産」(東京都千代田区)が東京外国語大(東京都府中市)の多言語・多文化教育研究センターと共同で、公立小に通うブラジル人児童を対象にした補助教材作成プロジェクトを進めている。群馬県太田市などブラジル人の多い地域で教材を十一月から試験的に使ってもらい、来年四月にインターネット上でも公開する。公立小に通う全国のブラジル人児童に授業や家庭学習で活用してもらう考えだ。

「群馬県太田市などで来月試験導入」

教材は、簡単な計算や漢字の学習が対象で、インターネット上から無料でダウンロードできる。原則日本語だが、必要に応じてポルトガル語で解説。教職員向けに指導方法を示し、保護者にも学習内容を分かりやすく紹介する。理科や重要単語事典も作る方針で、教科書と併用できる教材を目指す。

「来春にはネット公開」

三井物産によると、将来的にはイン夕― ネットの利点を生かしながら教材に音声や動画も加える予定。
同セン夕―は九月末、太田市や長野県上田市、静岡県浜松市などブラジル人児童の多い地域に教材の試験使用を依頼し、群馬県大泉町にも協力を要請。各地域の教職員やブラジル人児童の意見を取り入れながら来年三月末に試作を完成させる。
同センターによると、就労目的で来日したブラジル人は全国で約三十万人に上る。学齢期のブラジル人児童・生徒約ニ万九千人(約七千人が公立校に在籍)が教育制度や環境不備で、十分な教育を受けていないのが現状という。

日時: 2006年10月05日