吉田ゆか子「バリ島仮面文化の体験ワークショップの様子」(AA研 マルチメディアセミナー室)

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【参加者募集】ワークショップ「映像人類学のキュレーション:応用映像人類学におけるマルチモーダル・アプローチ」

2025.01.25 update

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概要

本ワークショップは、映像、またはマルチモーダルな手法を用いて研究成果を発表したいと考えている研究者やアーティストを対象とした参加型のプログラムです。集中講義型の応用参加型ワークショップとして、映像人類学における最新のマルチモーダル手法について議論します。ワークショップの一環として、参加者は個人またはグループで小規模な映像人類学的プロジェクトに取り組み、人類学的展示のための準備に取り組んだのち、展示を行います。

ワークショップ終了時には、参加者は以下の点について理解を深めることができます。
・映像人類学における最も重要なマルチモーダル・アプローチと理論
・映像人類学におけるキュレーションおよびキュレーション理論とアプローチ
・映像人類学的展示をキュレーションするための基本的な実践

講師

ペドラム・ホスローネジャード氏(社会文化人類学者・キュレーター、西シドニー大学社会科学部 客員教授)、学術誌『Visual Anthropology - Taylor & Francis』編集長。(プロフィール詳細は末尾)

参加対象

本ワークショップは、映像や写真、フィールドレコーディングなどマルチモーダルな手法を用いて研究成果を発表したいと考える以下のような研究者やアーティストを対象としています。

・文化人類学、映像人類学、メディア研究、また社会科学や自然科学の関連分野における研究者および大学院生(修士・博士課程)。
・文化人類学的・民族誌的な文脈で視覚資料を扱うアーティスト、映像制作者、キュレーター。
・ビジュアル・ストーリーテリングやマルチモーダルなアプローチを取り入れた学際的プロジェクトに関わる方。

映像人類学的およびキュレーションの実践を通じて、研究を革新的な方法で伝えることに関心に持っている方向けのワークショップです。研究に関わる方においては、映像や写真編集、キュレーションの初心者も経験者も歓迎します。

申込み

定員:15名
参加費:無料

言語:英語

申込フォーム:https://docs.google.com/forms/d/1pecwLIumeG4vdpJ_Xubt5G5SqY69LkbTSm0VGh_lJzU/edit
申込締切:2月20日まで(原則として全日程の参加が必要で、すべてのセッションに参加できる方を優先します)
※参加の可否については、登録から1~2週間以内に通知いたします。締切日より前に定員に達した場合、応募を締め切ります。

お問い合わせ先:
muratsu_ran(at)aa.tufs.ac.jp(担当者:村津蘭)
※(at)を@に変えて送信してください。

備考:
遠方にお住まいで収入のない大学院生やポスドク研究者の方には、交通費・宿泊費の一部補助が可能です。申込時に希望の有無をご記入ください。
本ワークショップの成果は、参加希望者とともにジャーナル『Visual Anthropology』へ投稿を予定しています。

プログラム概要

Day -1:3月5日(水)

10:00 AM-12:00 PM
・プログラム紹介

1:00 PM-5:30 PM
応用映像人類学の理論と実践
 本セッションでは、応用映像人類学における主要な理論と実践について紹介する。

映像人類学とキュレーション理論
 本セッションでは、人類学、キュレーション、キュレーション理論の基本的な概念と実践について紹介する。

Day -2:3月6日(木)

10:00 AM-12:00 PM
映像人類学的資料のキュレーション (1)
 本セッションでは、展示のキュレーションの基本要素について学ぶ。
 具体的には、展示デザインやレイアウト、インスタレーション、照明、ラベル付け、展示のナレーション、タイトル付けなどを含む。

1:00 PM-5:30 PM
映像資料を活用した実践的ワーク
 本セッションでは、参加者が小規模なビジュアルプロジェクト(個人またはグループで)に取り組み、展示計画のための素材を準備する。
 写真、映像、音声、感覚的なマテリアルを整理し、編集する作業を行う。
 また、ワークショップ内で話し合われた個別のテーマや展示の全体テーマに沿って、各自の素材を選び、編集する。

Day -3:3月7日(金)

10:00 AM-12:00 PM
映像人類学的資料のキュレーション (2)
 参加者は編集した素材をグループまたはクラス全体に向けて発表し、それらをどのように展示するかについて議論・計画する。

1:00 PM-5:30 PM
映像人類学的資料のキュレーション (3)
 本セッションでは、議論をもとに、さらに写真、映像、音声の編集作業を行う。
 また、写真の印刷、映像の書き出し、音声の最終編集などを行い、展示に向けた準備を進める。

Day -4:3月8日(土)

10:00 AM-17:00 PM
展示の設営と準備
 参加者は協力して、作品の展示設営を行い、展示会のオープニングに向けた準備を進める。

Day -5:3月9日(日)

11:00 AM
展示オープニング

14:00 PM -17:00 PM
展示トーク&クロージング・ディスカッション

講師経歴

ホスローネジャード氏は、フランス、イギリス、スイス、日本、アメリカ、オーストラリア、イランなど世界各国において、キュレーションや博物館活動、教育・研究、大学や文化機関での公共プログラムの企画運営など、20年以上にわたり知的・指導的な経験を積んできました。

2020年7月から2023年1月まで、オーストラリアのパワーハウス・アルティモ博物館でペルシャ美術のキュレーターを務めました。それ以前は、アメリカのオクラホマ州立大学でイラン・ペルシャ湾研究の副所長(2015~2019年)、スコットランドのセント・アンドリュース大学社会人類学部において、イラン遺産財団が設立したゴリ・ライス・ラリザデ講座の教授(2007~2015年)を歴任しました。

彼のこれまでのキュレーション、教育、研究活動は、視覚研究、物質文化研究、キュレーション研究、映像人類学など、多分野にわたる学際的な領域を横断しています。

ホスローネジャード氏の関心は、コンテンポラリービジュアルアート、領域横断的なキュレーション手法、移民コレクションの博物館展示、写真史におけるジェンダー・セクシュアリティ・人種の関連性などに及びます。特に、芸術、記憶、物質文化がどのように広範な政治的・社会的・文化的な動向に結びつき、影響を受け、変容していくかを探求しています。

主催
東京外国語大学 フィールドサイエンス・コモンズ(TUFiSCo)

共催

AA研基幹研究人類学
協力
学術誌『Visual Anthropology - Taylor & Francis』