NEWS and EVENTS

2025年3月2日(日)-23(日) 展示&トークイベント「レジリエント・ライフ:強制撤去からの帰還と再建」

2025.01.02 update

本展示は、ケニアの首都ナイロビにあるムクル・クワ・ンジェンガを舞台に、行政により家を強制撤去された住民が元の土地に戻り住居を再建する姿を記録するプロジェクトである。展示は、Materiality of LivesとRebuilding Home and Dignityの2つのプロジェクトで構成されており、住民のレジリエンスやクリエイティブ・リユースの精神を提示しつつ、土地利用、貧困、行政上の問題といった課題にも目を向けている。
この展示は、アート、人類学、建築学、政治学など多分野の専門家が協働して成立している。インフォーマル居住区に関する調査が「支援や援助」の視点で語られることが多い中で、住民自身による家の再建を通して「人と住まいと社会」の関係を多角的に考察することを目的としている。また、日本の震災復興や地域再生の課題とも共鳴する視点を提供し、持続可能な社会やグローバルな人権問題について再考する契機となることを望んでいる。

日時

展示:2025年3月2日(日)-23(日) 12:00-18:00 *休廊:月曜日
トークイベント1:2025年3月8日() 15:00-17:00
トークイベント2:2025年3月22日() 15:00-17:00

場所

東京工芸大学中野キャンパス6号館地下1階ギャラリー6B01

プログラム

<<トークイベント1>> 「 人と住まい:強制撤去からの再建」

住まいは単なる物理的な空間ではなく、個人の尊厳やアイデンティティを育む重要な場だといえる。本トークでは、インフォーマル居住区住民が「再建した家」に焦点を当て、人と棲家の関係性を掘り下げる。人はどのように自らの居心地のいい場所をつくろうとし、また住まいがどのようにして人々の日常や心の拠り所を支え、文化や家族の絆を形作るかを考察する。

ゲスト: 村津 蘭(文化人類学/映像人類学 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
ゲスト: 西尾 美也(アーティスト 美術家 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科)

<<トークイベント2>> 「住まいと都市政策:インフォーマル居住区が映し出す社会課題」

インフォーマル居住区住民の住居再建のプロセスは、土地利用や再開発、住民の権利を巡る都市政策の課題を浮き彫りにする。本トークでは、強制撤去後の住民の再建を題材として、都市政策が抱える構造的な矛盾や社会的不平等について議論する。また、ムクルの事例を出発点に、日本の都市再開発や空き家問題など、現代都市が直面する課題との接点を探る。

ゲスト: 小野悠(都市工学 豊橋技術科学大学)
ゲスト: 溝口大助(文化人類学 東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター)

展示とイベントは、事前予約不要、入場無料です。

展示およびトークイベントの詳細はこちらをご覧ください。

主催:東京工芸大学インタラクティブメディア学科野口研究室
共催:東京外国語大学フィールドサイエンスコモンズ(TUFiSCo)、日本女子大学建築デザイン学部建築デザイン学科井本研究室
後援:東京工芸大学
協力:アフリカンスクエアー