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モスクワ国際ブックフェア潜入

モスクワに滞在している。
「モスクワ国際ブックフェア」(9月7日~9月12日)の初日にあたる今日、会場となった全ロシア展示センター(ВВЦ)の第75パビリオンを訪れ、出版社のブースを覗いてまわり、作家たちのプレゼンテーションを聞いた。21世紀の詩についてのラウンドテーブルもあった。


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ロシアにこれほどたくさんの出版社があるのかと驚嘆するほどさまざまなブースがびっしり並んでいる。通路に、ドストエフスキー・アヴェニュー、マヤコフスキー・アヴェニュー、ゴーゴリ・アヴェニューなどと文豪たちの名がつけられているのは、やはりロシアらしいと言うべきか。


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(これはチェーホフ・アヴェニュー)


そんな中で、入り口近くの最も目立つ場所に大きなブースを構え、自分のところから本を出したスター作家たちを招いて人々の注目を集めていたのが АСТ(アスト社)と ЭКСМО(エクスモ社)である。下の写真は、アスト社のスタンドで、Захар Прилепин ザハール・プリレーピン(1975年生まれ、向かって左)と Антон Уткин アントン・ウトキン(1967年生まれ、右)がプレゼンテーションをしているところ。

プリレーピンはリャザン州(スコピン地区)のイリインカ村に生まれ、ニジニ・ノヴゴロド大学卒業。「ナショナル・ボリシェヴィキ党」という非合法の政党に所属し「反体制」を標榜している。 『Санькя サニキャ』(2006)で才能が認められたが、これは作者を思わせる主人公が深く政治にコミットしているいわゆる「社会派小説」だ。
一方、ウトキンはモスクワ出身、 19世紀を舞台にしたロマン主義的歴史小説である『輪舞』(1996)で高い評価を受けた。
ふたりとも「ヤースナヤ・ポリャーナ」文学賞を受賞しており、ウトキンは1990年代、プリレーピンは2000年代を代表する作家と見なされている。


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2011年9月 8日 02:58に投稿されたエントリーのページです。

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