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国際社会学部 大熊葉月さんの答辞

2023年度の卒業式が、去る3月22日に行われました。
ドイツ語専攻の大熊葉月さんが、国際社会学部の卒業生代表として答辞を述べました。
国際社会学部以外の卒業生や在学生の皆さん、これから本学に入学する皆さんなどにも是非読んでいただきたいと思い、本人の承諾を得てここに掲載させていただきます(小野寺)

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卒業生答辞

ご臨席の皆様、本日は、このような盛大な卒業式を開催していただき、誠にありがとうございます。卒業生一同、心より感謝申し上げます。

林学長のお言葉にもあったとおり、私が入学した二〇二〇年は新型コロナウイルスの影響で入学式が中止となったため、このホールにこれほど多くの人が集まって式が開催されることが新鮮で、非常に嬉しく思っています。今でこそマスクを外し、隣の席も空けずに式が行えるようになりましたが、私たちの大学生活はコロナに大きく翻弄されたものでした。

四年前、私は念願の本学に入学したものの、授業はすべてオンラインで、始めの半年は語科の友達をオンライン上でしか見ることができませんでした。初めての外語祭もオンライン開催となり、楽しみにしていた外語祭実行委員会の活動も想像とは全く違うものでした。二〇一九年以前入学の皆さんも、留学が急遽中止になってプランの変更を余儀なくされたり、このホールで満員の観客を前に行うはずだった語劇がなくなったりと、辛い思いをした人が多いのではないでしょうか。

このように、コロナの影響を大きく受けた大学生活でしたが、私は必ずしも悪いことばかりではなかったと思っています。この混乱をきっかけに、自分の目標は何なのか、その目標を成し遂げるために現状で自分には何ができるのか、考える力が身についたと思うからです。

私の場合、行きたかったショートビジットが中止になりましたが、現地に行かなくても専攻語であるドイツ語力向上と異文化理解ができるよう、オンラインの日独交流イベントに片っ端から参加し、そこで話した現地の学生と個別に話す場を設けました。交流は一年の夏から現在まで続いており、お互いの国に渡航できるようになってからは実際に会って話すこともできました。コロナがなければ、四年間、何人ものドイツ人と、ほぼ毎週話すことは不可能でした。卒業生の皆さんも、似たような経験を持っているのではないかと思います。

私が卒業論文のテーマに選んだドイツの宰相ビスマルクの言葉に、私たちの状況にぴったりだと感じる言葉がありました。
「人間は時の流れを生み出すこともできないし、操ることもできない。ただその上を走り、多かれ少なかれ経験と巧妙さをもって、難破し、座礁し、そしてまた、良い港に立ち寄ることができるだけである」というものです。
私たちはコロナの感染拡大という時の流れを操ることはできませんでしたが、この流れの中で最善の選択肢を選び取り、最高の大学生活を自らの手で切り拓くことができました。大学を卒業し、それぞれの道に進んだ後も、大学時代の経験は大きな糧となり、変化の激しい現代社会を生き抜く原動力になると確信しています。

困難な状況の中で学びを深め、外部との接触が制限される中で世界に目を向けて広い視野を獲得したこの経験を最大限に生かし、今後もさらなる学びと努力を続けることをここに誓います。

最後になりましたが、ゼミや語科の先生方をはじめ、私たちの学びを深めてくださった先生方、学生活動や履修などでお世話になった職員の皆様、家族、そして何より、切磋琢磨しながら時間を共にした外大生への感謝の気持ちを以って、卒業生代表の言葉といたします。

令和六年三月二十二日
卒業生代表 国際社会学部 大熊葉月

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2024年3月24日 21:41に投稿されたエントリーのページです。

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