研究室紹介



  • 水野ゼミ(総合文化コース)
    古典サンスクリットから近代語文学までを一つの流れとして捉えることで初めて見えてくるであろう様々な問題を扱う。文学理論やモチーフ研究といった文学プロパーの問題に留まらず、宗教や思想、社会も視野に収めたインド文学研究をおこないたい。また、他文化圏との関わりにも配慮する。


  • ゼミ内容
    1. 中世ヒンディー語の文学理論書(とりわけ心理学的考察を含む文芸鑑賞論であるラサ論を扱うもの)を講読し、それが依拠していると思われるサンスクリットの文学理論書と対比したり、後世への影響(現代の舞踊、演劇、映画製作も含む)を観察したりすることを通して、その理論の時代性および社会性を探る。
    2. 中世ヒンディー文学を豪華絢爛たらしめているクリシュナ信仰文学やラーマ信仰文学の作品群の中から選択し、同じモチーフを扱う古典から近代までの諸バージョンと比較しながら読解して、現代インドの宗教思想形成に拘わるヒンドゥー教バクティ信仰(易行道)の展開を探る。
    3. インドの説話の一部についてはペルシャ語訳をはじめ、アラビア語訳(8世紀)、ヘブライ語訳(12世紀)、ラテン語訳(13世紀)、スペイン語・イタリア語・英語訳(15~17世紀)等が存在するし、他方で『マハーバーラタ』および『ラーマーヤナ』のいわゆる二大叙事詩は、演劇等の形態をとりつつ、東南アジア各地に広く伝わった。また、中国、朝鮮、日本に伝来した仏教教典類にも文学的要素をもつものは少なくない。これらインドに起源する文学作品(および宗教文献)の、自分の専攻語のバージョンを研究したいと思う者に、インド・バージョンを紹介する機会になることもあり得ようか。


  • テキスト
    R.Snell, The Hindi Classical Tradition, A Braj Bhasa Reader (1991, London;SOAS).


  • ゼミ合宿
    毎年、夏期休業中(9月)に行われるゼミ合宿では、各人に短いレポートを発表してもらう。


  • 受講上の注意
    「講義、演習、卒論演習」のうち、「講義」を『入門ゼミ』と位置づける。この時間枠で受講生各人の漠然とした興味が確固とした問題意識に高まることを基本線とする。「演習」では中世ヒンディー語(ブラジ・バーシャー)文献(あるいは必要に応じてサンスクリット文献)の講読の時間に充てるが、ヒンディー語およびサンスクリット語を未習の学生には英訳本など別途に用意することもあり得る。


  • 卒業論文・修士論文題目
      ○平成22年度

      ○平成21年度  卒業論文 「インドと日本の他界観および葬制」
                    「イスラム社会におけるマイクロファイナンスの進展」
               修士論文 「デーヴキーナンダンの再評価−20世紀初頭のヒンディー大衆文
                   学作家に関する考察−」

  • 卒業後の進路進路
      ○平成22年度

      ○平成21年度  自衛隊・大手進学予備校・大学院博士後期課程