2008年度 ヨーロッパ文学Ⅰ(演習)
(欧米第一地域文化論)
授業題目名:ドイツ現代文学2
開講時間
前期木曜・4限
授業の目標
現代ドイツの政治史、社会史、大きな思想的流れをおさえながら、文学がそれにどのように呼応し、対抗し、また組み込まれていったかを概観する。テーマ的・内容的な側面とともに、特に語りのあり方に着目したい。レクチャーとともに、とりわけ代表的なテクストをとりあげて読んでいくが、これらの作品に触れることそのもの、また、ドイツ語を読むことそのものも重要な目標の一つである。
授業概要
後期は、特に90年代後半以降の「ポップ文学」および関連する文化的事象(映画、音楽、Webサイト)を扱う予定。政治史・文化史的概観を行ったあと、受講者による個別テーマについての発表を軸に授業を進める。
授業計画
1995年を境としてさまざまな文化的な領域で共振的にあらわれている「ポップ」現象を考えるにあたって、60年代のポップを考察することから始める。
とりあげる「ポップ文学」としては次のようなものを予定している。
- Christian Kracht, Faserland (1995)
- Alexa Hennig von Lange, Relax (1997)
- Sibylle Berg, Ein paar Leute suchen das Glück und lachen sich tot (1997)
- Benjamin von Stuckrad-Barre, Soloalbum (1998)
- Joachim Bessing, Tristesse Royale. Das popkulturelle Quintett (1999)
- Thomas Brussig, Am kürzeren Ende der Sonnenallee (1999)
- Benjamin Lebert, Crazy (1999)
- Elke Naters, Lügen (2001)
- Judith Hermann, Nichts als Gespenster (2003)
- Thomas Meinecke, Tomboy(1998), Musik (2004)
発表のための個別テーマとしてはその他、95年以降の映画など、ポップ文化にかかわるものもありうる。
成績評価の方法
出席、授業への積極的参加、発表、レポートにより判断する。ただし、然るべき理由の申し出なく出席が極端に少ない場合、評価の対象外となる。
テキスト・教材・参考書等
全体的な概観のための参考書としては、
- Thomas Ernst, Popliteratur (eva wissen)2005
- Moritz Baßler, Der deutsche Pop-Roman. Die Neuen Archivisten. 2002
- Kerstin Gleba und Eckhard Schumacher, POP seit 1964. 2007
その他、取り上げるテクストは授業中に配布する。
受講上の注意
ドイツ語のテクストを読む。ドイツ語既習者であることが望ましいが、他の言語圏のポップ文化を紹介してもらうということも生産的であるので、その場合は相談すること。
レポートについて
- 課題:「(ドイツの)ポップ(文学)とは何か」について論じる。
- 分量:4000字程度。
- 締切:2月16日(月)24:00まで
- 提出方法:MS Wordなどで作成したファイルをメールに添付して、hiro.yamaguci@tufs.ac.jp宛に提出。その際、ファイル名は、
「2008WS山口ゼミ氏名(テーマ)」とし、「件名」は「2008WS山口ゼミレポート提出氏名」とする。
- 注意:参照した文献を明らかにすること。当然のことながら、無断引用(直接・間接)を行わない。

