2008年度 ヨーロッパ文学Ⅰ(講義)
(欧米第一地域文化論)
授業題目名:ドイツ現代文学1
開講時間
前期木曜・4限
授業の目標
戦後ドイツの政治史、社会史、大きな思想的流れをおさえながら、文学がそれにどのように呼応し、対抗し、また組み込まれていったかを概観する。テーマ的・内容的な側面とともに、特に語りのあり方に着目したい。レクチャーとともに、とりわけ代表的なテクストをとりあげて読んでいくが、これらの作品に触れることそのもの、また、ドイツ語を読むことそのものも重要な目標の一つである。
授業概要
前期は、第二次世界大戦後から70年代までを扱う予定。初めに戦後ドイツの歴史的概観と文学の大きな流れについてのレクチャーを行い、その後、個々の作品を読んでいく。受講者が担当箇所について発表を行う。
授業計画
初めに数回、戦後ドイツの歴史的概観と文学の大きな流れについてのレクチャーを行う。そのあと一緒に読んでいく作品(多くは抜粋)としてはたとえば以下のテクストを予定している。適宜、映画などにも言及する。
- Wolfgang Borchert, Draußen vor der Tür (1947)
- Heinrich Böll, Wanderer, kommst du nach Spa... (1950)
- Ilse Eichinger, Spiegelgeschichte (1952)
- Paul Celan, Todesfuge (1952)
- Günter Eich, Träume (1953)
- Friedrich Dürrenmatt, Der Besuch der alten Dame (1956)
- Ingeborg Bachmann, Der gute Gott von Manhattan (1958)
- Günter Grass, Die Blechtrommel (1959)
- Peter Weiss, Die Verfolgung und Ermordung Jean Paul Marats dargestellt durch die Schauspielgruppe des Hospizes zu Charenton unter Anleitung des Herrn de Sade (1963)
- Wolf Biermann, Chausseestraße 131 (1968) [LP]
- Peter Handke, Die Angst des Tormanns beim Elfmeter (1970)
- Peter Schneider, Lenz (1973)
- Uwe Timm, Heißer Sommer (1974)
- Kluge/Schlöndorff/Fassbinder u.a., Deutschland im Herbst (1978) [Film]
成績評価の方法
出席、授業への積極的参加、発表、レポートにより判断する。ただし、然るべき理由の申し出なく出席が極端に少ない場合、評価の対象外となる。
テキスト・教材・参考書等
全体的な概観のための参考書としては、
- Volker Bohn, Deutsche Literatur seit 1945, suhrkamp 1995.
- ヤン・ベルク他『ドイツ文学の社会史(下)』法政大学出版局
その他、取り上げるテクストは授業中に配布する。
受講上の注意
ドイツ語のテクストを読む。ドイツ語既習者であることが極めて望ましい。
レポートについて
- 課題:自分が発表した作家の他の作品(翻訳が存在せず、授業で一部しか扱わなかった作品の場合は、その作品そのものでもよい)、あるいは関連する他の作家の作品について、時代の社会史・思想の流れ念頭に置きながら考察する。ドイツ語で書いてもよい。
- 分量:4000字程度(A4で3,4枚程度)
- 締切:8月5日の夜まで
- 提出方法:基本的にメール添付で提出。「件名」を「山口ゼミ課題:(氏名)」ではじめること
hiro.yamaguci@tufs.ac.jp

