2008年度 欧米第一地域基礎Ⅱ
授業題目名:ドイツ語圏の文化1
開講時間
前期水曜・2限
授業の目標
- ドイツ語圏の文化(主に文学、思想、音楽、美術の領域)の大きな流れを政治・社会史のうちに位置づけながら把握する。
- できるだけ多くの作品・文化的事象にふれ、特に関心をもった対象に対する知識を深める。
- アカデミック・スキルズのトレーニング
授業概要
ドイツ語圏の文化の流れを概観する講義を行う。前期は主に中世から19世紀末までを扱う。与えられたテーマ・対象に関して受講者が各自レポートを作成し、授業で発表する。
授業計画
数回のレクチャーの後、受講生に発表を担当してもらう。発表ごとにディスカッションを行い、コメント・補足的なレクチャーを行う。発表の個別的なテーマとしては、例えば以下のようなものがある。とりあげるテーマの例:ミンネザング、『ニーベルンゲンの歌』、ルター、クラナッハ、『ティル・オイレンシュピーゲル』、「バロック」の建築・美術・音楽・文学・思想、カント『啓蒙とは何か』、レッシング『賢者ナータン』、ゲーテ『ヴェルター』、ウィーン古典主義音楽(ハイドン、モーツァルト、ベートーベン):教会・宮廷から市民の音楽へ、ロマン主義の諸相:文学(ホフマン、ティーク)、美術(フリードリヒ、ルンゲ)、音楽(ウェーバー、シューマン、ヴァーグナー)――ロマン主義とは何か、擬古典主義建築、シュティフター、シュトルム、ハイネ、ニーチェ、自然主義など。
- 4月16日 オリエンテーション――(1)授業の目的、方法、成績評価について (2)アカデミック・スキルズについてのレクチャー (3) 発表のテーマ・対象と発表の日程
- 4月23日 講義01 中世・ルネサンス・バロック
- 5月7日 講義02 18世紀:啓蒙主義・「シュトゥルム・ウント・ドラング」・古典主義
- 5月14日 講義03 19世紀:ロマン主義、写実主義、自然主義、象徴主義
- 5月21日 講義04 20世紀:世紀転換期、ユーゲントシュティール、表現主義
- 6月4日 発表01 中世:ミンネザング、『ニーベルンゲンの歌』
- 6月11日 発表02 ルネサンス・人文主義:ルター、クラナッハ、『ティル・オイレンシュピーゲル』
- 6月18日 発表03:「バロック」の建築・美術・音楽・文学・思想
- 6月25日 発表04:啓蒙主義、疾風怒濤
- 7月2日 発表05:古典主義――音楽、文学
- 7月9日 発表06:ロマン主義の諸相1
- 7月16日 発表07:ロマン主義の諸相2
- 7月23日 発表08: 写実主義、自然主義、象徴主義
成績評価の方法
出席および授業への積極的参加30%、発表30%、レポート40%で評価する。
テキスト・教材・参考書等
教科書:柴田翔編著『初めて学ぶドイツ文学史』ミネルヴァ書房
その他、多数の参考文献を授業中に指示する。
受講上の注意
- 「地域基礎」という授業の性格にのっとって、ドイツ語圏に関する基本的な知識・理解を深めるために提供される入門的な授業である。
- 夏学期だけの受講も可能ではあるが、冬学期と内容的に連続して授業を行い、一年間でドイツ文化を概観するので前期と後期の両方の授業を受講することが望ましい。
- 受講希望者があまりに多い場合には人数調整を行う可能性もある。
レポートについて
- 課題:前期の授業で扱った時代の範囲(中世から1890年頃まで)で、ドイツの文学・思想・芸術に関するテクストを読み、その時代、社会的・文化的連関、その作家・思想家の創作・思想の展開における位置づけに言及しながら、そのテクストについて論じる。(テクストの選択の際には、例えば「教科書」として指定している柴田翔編著『初めて学ぶドイツ文学史』や、岩波文庫のラインナップ、『ドイツ文学案内』(岩波)などを参考にする。)
- 分量:4000字前後
- 締切:8月5日夜まで
- 提出方法:基本的にメールに添付ファイルで。紙媒体で提出する場合は、山口研究室(622)の扉の外にある黄色のボックスに入れ、その旨メールで知らせること。

