1997/06/29 阪神ドイツ文学会 第162回研究発表会(大阪産業大学)
                                      大阪市立大学文学部 山口裕之

「弁証法的形象」としてのアレゴリー
――後期ベンヤミンの視点からの『ドイツ悲劇の根源』

T 問題設定
  1.「後期ベンヤミン」・「初期ベンヤミン」

2.「初期」の連関にある『ドイツ悲劇の根源』

3.初期と後期を媒介する視点

U 前提――後期ベンヤミンにおける思考の枠組み
 1.クラウス論における三段階的構造

2.第二段階に見られる「デーモン」の「二義性」

3.「二義性」の概念規定(『パリ、19世紀の首都』)

4.「ボードレール論」の構想(1938年)とクラウス論との構造的並行関係

(特に第二段階における対応関係)

V テーゼ――『ドイツ悲劇の根源』への二つの視点
 (1) 時間性の空間化としての二義性

1.『ドイツ悲劇の根源』の構成

2.時間性の空間化に関わる諸概念の配置

3.歴史の世俗化(時間性の空間化)としての「舞台」「宮廷」

4.宮廷における「陰謀家」のデーモン的・二義的性格

5.メランコリー論における「土星像の弁証法的性格」とデーモンの二義性との連関

6.テーゼ1

(2) 前期ベンヤミン・後期ベンヤミンにおける三段階構造の対応関係

1.『ドイツ悲劇の根源』における「救済」への「急転」

2.初期の言語論における神学的な三段階構造

3.テーゼ2

4.(テーゼ2の延長)第二段階としての『ドイツ悲劇の根源』と『第二帝政期のパリ』『パサージュ論』――テーマの一致

W 結び
 ベンヤミンにおける「第二段階」のもつ意義 

関連する筆者論文(特に「前提」に関して)


発表原稿