1998年度 インターネット講座

メディア・情報・身体 ―― メディア論の射程

第11回講義 註

註1
後から述べるように、第8回講義ではフルッサーの意図をあえて読み替えて、「テクスト」と<世界>とのあいだのコード/デコードの相互的な作用をも「イマジネーション」と呼びましたが、本来フルッサーにおいては「イマジネーション」は、「画像」と<世界>とのあいだにおいてのみ問題となるものです。
註2
註1でもふれているように、第8回講義では、このフルッサーの本来の意図からあえてはずれて、「テクスト」と「世界」とのあいだのコード/デコードも、「コンセプション」という言葉を用いず、「画像」において問題となる「イマジネーション」によって説明しています。それは、テクストを読むことによって一つのイメージを得たり、あるいは一つのイメージをテクストとして書いたりするという作業を、直接に<世界>を思い浮かべるものとしてとりあえず説明したからです。
註3
邦訳『テクノコードの誕生』(村上淳一訳、東京大学出版会)は、現在刊行されつつあるドイツ語でのフルッサーの著作集の第4巻 Kommunikologieの中から、Umbruch der menschlichen Beziehungen? の部分だけ訳出したものです。ドイツ語の著作集第4巻は、1996年の出版ですが、この部分は本文に書かれたとしに成立したものと編集者によって後書きで書かれています。
註4
実際には、「ファイル」にしても、「保存」にしても、単なるメタファーであって、実際に起こっていることはハードディスク上での電気的・磁気的な変化にすぎないのですが、今はそこまで還元してもあまり意味がないので、とりあえず本文に述べている程度にとどめたいと思います。

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