平和構築と人間の安全保障について、後者の包括性を前提とした調和的側面を確認しつつも、両者が相克する際の諸問題を検討する必要性を指摘する。その上で、中央アフリカの「大湖地域」の紛争問題について、具体的な検討を行っていく。まず第1節において、平和構築と人間の安全保障の関係について問題提起を行う。第2節では、コンゴ民主共和国の「内戦」の「前史」と考えることができるルワンダの内戦状況を通じて明らかになった平和構築と人間の安全保障の関係について指摘する。第3節では、コンゴ民主共和国の「内戦」の歴史を時系列にそって確認する作業を行う。第4節では、国際社会がこれまでにとってきた対応策についてまとめる。第5節においては、コンゴ民主共和国における主要な平和構築策を取り上げる。第6節においては、そこまでの検討作業をふまえて、コンゴ民主共和国における人間の安全保障と平和構築の見通しについて、さらなる考察を加える。
back