この論文では、「平和」概念を三つに分類し、多様な意味内容を整理することを試みた。その際に援用したのは、イギリス学派の三つの国際理論の伝統である。現実主義からは、戦争の欠如としての「平和」概念が導き出される。合理主義からは、秩序の維持としての「平和「が導き出される。革命主義からは、正義の実現としての「平和」が導き出される。これら三つは相互に連関しながらも、「平和」概念を理解する際の大きな三つの流れを表現していると思われる。
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