冷戦終結後、新しい介入主義の流れが生まれてきたとの指摘がなされた。本稿は、その流れの正当性の源流として、人道主義的価値観の広がりと、安全保障上の要請の二つがあると論じる。そして両者が1999年のNATOによるユーゴスラビア空爆にも見られると指摘しつつ、実際の軍事行動が人道的介入の観点からはそれほど合理的ではなかった一方で、むしろ安全保障上の観点から見た方がより合理的であったと言えると論じる。
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