2020年 台湾総統選挙 予想ほぼ的中
2020年1月22日
小笠原 欣幸

 2020年台湾総統選挙・立法委員選挙の予想と結果


 2020年1月11日に行なわれた台湾の2つの選挙の小笠原の事前予想と選挙結果について報告します。 予想資料は投票4日前の1月7日に作成し,8日に若林正丈先生ら数人の関係者に送付しました。以前は小笠原HPに予想を公表していましたが,今回は台湾メディアの報道を避けるため公表は控えました。

  1. 総統選挙の蔡英文の得票率予想的中

    蔡英文韓國瑜宋楚瑜
    小笠原予想57.7%34.1%08.2%
    選挙結果57.1%38.6%04.3%
    0.6-4.53.9

    補足:蔡の得票率予想はぴったりであったが,韓と宋の予想はズレが生じた。選挙戦最後の2日間に,宋に入れるつもりであった人が韓に票を入れる動き(棄宋保韓)が発生したようだ。

  2. 立法委員選挙の議席予想も的中

    民進党国民党民衆党時代力量無所属その他
    小笠原予想6237536
    選挙結果6138536
    1-1000

    補足:議席の数だけ見ると,民進党と国民党は1議席のズレ,民衆党と時代力量と「無所属その他」は完全一致,親民党は議席を失うという予想も正確で,ほぼ完璧な予想であったように見えるが,実はいくつかの選挙区で当落の結果を間違えた。しかし,合計すると運よく一致した。

  3. 立法委員選挙の選挙区の政党別得票率もほぼ的中
    (これは比例区の政党得票率とは別)

    選挙予想で重要な作業は,選挙区の議席数だけでなく,各党の得票率を予想することである。そのためには,73選挙区の全候補の得票数を予想することが必要になる。今回は73選挙区で410名が立候補した。その410名の予想得票数を合計し,党派別に集計することで,各党の得票率を割り出すことができる。これで,選挙区の対決でどちらの党が優位に立っているか数字で把握することができる。これと総統選挙の予想とを突き合わせることによって,選挙情勢が把握できる。

    民進党得票率: 小笠原予想 47.63% 結果 45.60% 差(予想-結果) 2.03
    国民党得票率: 小笠原予想 40.44% 結果 40.57% 差(予想-結果)-0.13

    このように選挙区の二大政党の得票率をほぼ完璧に予想することができた。政党得票率の予想は,全410人の候補者の得票数の予想の上で算出するで難易度が高い。民進党の予想と結果のズレの2.03ポイントは誤差の範囲内であるし,国民党のズレの-0.13はほぼ完全一致で自分でも驚くほどの精度であった。
《表》2020年立法委員選挙 選挙区の各党・無所属その他候補の得票率
民進党緑系無他時代力量一辺一国緑党国民党藍系無他安定力量親民党民衆党無その他
予想47.63%3.81%0.49%0.28%0.30%40.44%1.38%0.17%0.23%1.78%3.49%
結果45.60%3.71%1.02%0.15%0.28%40.57%1.50%0.19%0.44%1.90%4.64%
2.030.10-0.530.140.02-0.13-0.12-0.02-0.21-0.12-1.15
出所:予想は筆者独自に算出。結果は中央選挙委員会資料を参照し筆者作成。

    (注1) 「緑系無所属その他」は,林昶佐,趙正宇,陳柏惟,洪慈庸,蘇震清,陳滄江ら民進党が公認候補を立てず支援に回った候補者。
    (注2) 「藍系無所属その他」は,李翁月娥,林國慶,傅崐萁,陳福海,曹爾忠ら国民党が公認候補を立てず,あるいは立てているのに国民党の支持者の票が流れた候補者。


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