フリー素材柚莉湖♪風と樹と空と♪ フリー素材柚莉湖♪風と樹と空と♪    2020年総統選挙のゆくえを決める

2018年台湾統一地方選挙

― 序盤情勢 ―
東京外国語大学
小笠原 欣幸

 2018年11月24日,台湾の全22県市において,県市長,県市議員,郷鎮(市)長,郷鎮(市)代表,村長・里長がいっせいに選出される。この統一地方選挙は,台湾の次の4年間の地方政治を決するのみならず,台湾政治自体を動かす大きな意味を持つ。

 次の総統選挙は2020年1月投票の見込みだが,台湾の選挙運動の開始は早いので,1年前の2019年春頃には総統選挙が始まっている。つまり,今回の統一地方選挙が終わってから総統選挙が始まるまでわずか3か月しかない。ここで敗北すると立て直しができないまま総統選挙になだれ込む。
 統一地方選挙は総統選挙の「前哨戦」というよりも「前半戦」と呼んだ方が実態にふさわしい。地方選挙でありながら2020年総統選挙のゆくえを決める非常に重たい選挙ということができる。
 本稿では県市長選挙にしぼり,投票まで9か月という時点での主要県市の情勢,および,民進党・国民党の両党にとっての勝敗パタンと台湾政局への影響を整理する。


はじめに:前回の結果

《図1》2014年県市長選挙結果(所属政党別)
(出所)新頭殼newtalk
民進党:
基隆市 桃園市 新竹市 台中市 彰化県 雲林県 嘉義県 嘉義市 台南市 高雄市 屏東県 宜蘭県 澎湖県
(13県市)47.6%

国民党:
新北市 新竹県 苗栗県 南投県 台東県 連江県
(6県市)40.7%

無所属:
台北市 花蓮県 金門県
(3県市)11.7%

赤字は直轄市(六都)
台湾には全部で22の県市がある。うち6つは直轄市で通称「六都」と呼ばれる。六都は人口が多く,22県市の有権者のうち六都が占める割合は68.8%に達する(2016年データ)。

これを 2009-10年県市長選挙結果と比較すると,民進党 6県市→13県市,国民党 15県市→6県市,無所属 1県→3県市 と変化した。
国民党は歴史的大敗を喫し,態勢を立て直すことができないまま2016年総統・立法委員選挙を迎え,政権を失った。


1.六都の序盤情勢

   台北市

(a)再選に向け有利な位置にいる柯文哲
 現職の柯文哲(無党籍)が再選を狙う。柯文哲の満意度は動きが激しい。TVBSの2017年12月15-19日の調査では,満意度50%,不満意度27%であった。柯文哲の市政はいくつもの領域で議論が発生し,市政府の幹部も次々と入れ替わり本人の失言も多いが,固定の支持者をつかんでもいる。あえて例えるなら,石原元東京都知事,橋下元大阪府知事のようなアクの強さで人気を得ているところがあり,言動でかなり批判を受けながらも選挙では強いタイプのようである。
 民進党は前回柯文哲を支持したが,今回は独自候補を立てるかどうかが焦点である。民進党はぎりぎりまで引き延ばし最後は立てない可能性が高いと見ている。蔡英文の2020再選戦略からすると,柯文哲との連携を続け柯が蔡に挑戦できないよう封じ込めるのが望ましいからである。
 だが,民進党支持者の柯への反発は高まっている。柯は自身の市長再選戦略に基づき意図的に民進党と距離をとり,中国向けメッセージを発している。柯に譲歩する形になれば,台北だけでなく各県市の民進党支持者の士気に影響する可能性がある。市議会議員選挙対策からも牽引役となる市長候補を立てたいところである。
 しかし,出馬の決意を表明している姚文智(立法委員)を擁立しても,民意調査を見ると勝ち目はない。注目が最も大きい台北で勝ち目のない戦いを繰り広げると台湾全体に劣勢気分が波及するし,柯文哲と対決して大敗したとなると政治的影響が大きくなる。
 また,仮に民進党が候補擁立を見送った場合,時代力量が候補を立てる可能性がある(徐永明2018.2.14発言)。そうなると,市議会議員選挙で民進党が不利になる。
 一方,国民党は市政の奪還を目指しているが,見通しはついていない。人気が高い若手の蒋萬安(立法委員)が出馬辞退を表明した後は混迷状態にある。丁守中(前立法委員)が早くから立候補を表明し活動しているが,国民党内部は丁支持派と否定派がいる。否定派は,丁が長年立法委員を務め新鮮味に乏しいことと,2016年選挙で民進党の女性候補吳思瑤に敗れたことから,丁では柯に勝てないと見ている。否定派はいまも水面下で丁に代わる人物を擁立する動きを続けている(1994年市長選挙に出た趙少康の名もあがっている)。
 国民党は3月に予備選挙を実施し公認候補を決める予定であるが,公認が丁になろうと別の人物になろうと国民党の票を結集するのは難しい状況にある。昨年12月の「美麗島電子報民調」を参照すると,「柯文哲vs丁守中」の一騎打ちでも「柯文哲vs丁守中vs姚文智」の三つ巴戦でも柯文哲が優勢である。これらの状況から,台湾の専門家筋は柯文哲の再選の可能性が高いと見ている。

《図2》柯文哲台北市長の満意度の推移

(出所)TVBS民意調査を参照し筆者作成

《図3》台北市長選挙三候補と二候補の場合の支持率

(出所)美麗島電子報民調(調査時期:2017年12月11-12日、調査サンプル数:1069)
を参照し筆者作成


《図4》台北市長選挙 三候補が競った場合の支持率

(出所)台灣世代智庫民調(調査時期:2018年2月9-10日、調査サンプル数:1076)
を参照し筆者作成


(b) 柯文哲と2020年総統選挙
 台湾の選挙運動の開始は早いので,来年の今頃には総統選挙が始まっている。つまり,総統選挙に出馬するなら11月24日の市長選挙からわずか3か月で動き出さなければならない。総統選挙を戦うとなると強力な選挙チームと資金と公約準備が必要であるが,台湾の専門家の見方では,柯が来年までにそれらを整えるのは難しいとされている。そうすると,柯文哲の総統選挙挑戦は2024年が順当であるが,政治家なら常に2020年の選択肢も開いておこうとする。
 国民党が混迷という状況になったいま,柯文哲としては三つ巴戦が望ましいと考えているであろう。国民党にも民進党にも失望・飽きたという選挙民をつかんで第三勢力の一大ブームを起こすには三つ巴戦を戦いそこで圧勝するのが最適である。柯としては,民進党に抱きつかれて身動きがとれなくなることは避けたい。この間の柯の民進党を挑発するような発言はこの計算から出てきているのであろう。蔡政権の満意度の低迷が続き,県市長選挙で民進党がいくかの県市を失う事態になれば,がぜん柯文哲ブームが巻き起こるであろう。
 国民党にとっての局面を転換する最大の奇策・サプライズは公認候補擁立を見送り柯文哲を支持することである。それにより民進党を牽制し蔡英文に挑戦するコマを得ることができる。新党の郁慕明主席が「民進党が候補を立てるなら」という条件付きで柯文哲支持の意向を表明したのは非常に興味深い(郁慕明2017.12.2発言)。あるいは国台弁あたりにこのような発想があるのかもしれないが,呉敦義指導部がこの奇策を採用する可能性はほとんどない。
 国民党はとにかく公認候補を立てるしかない。台北市長選挙では,過去に大規模な「棄保」(戦術的投票行動)が発生している。国民党にとっての悪夢は,台北市の国民党の支持者が党の公認候補を「棄て」,民進党に対抗できる人物として柯に票を入れる動きが発生することであろう。これはあくまで可能性の話であり,現時点はどう展開するのかはわからない。
 民進党もいま身動きがとれない状況にある。柯文哲に翻弄されたあげく最後は柯支持というのも政権与党としては見栄えのよいことではない。しかし,すでに書いたように独自候補を擁立しても展望は開けない。それゆえダークホース(黒馬)に支持者の期待が集まっている。
 柯文哲も,再選は成功しても総統選挙挑戦は行き詰る可能性がある。台北市は国民党支持者が比較的多いので,民進党と距離を置き中国融和路線で成功するが,台湾全体となるとそうはいかない。柯としてはどこかで軌道修正を図らなければならないが,簡単ではない。
 また,「第三勢力」「白色力量」といっても,現時点では諸小政党諸団体が支持を広げるのかどうか未知数であるし,仮に支持を広げたとしても,これらの諸小政党諸団体は理念的に柯文哲の保守的な社会的価値観とはズレがあり,結局柯文哲1人だけが突出という状態のまま変わらないかもしれない。 (2018年2月17日時点)

   新北市

 前回は六都で唯一国民党が守った。朱立倫市政で副市長を務める侯友宜が民意調査で独走状態にある。だが,国民党内で元台北県長の周錫瑋が出馬に向け動き出し,3月に党内予備選挙が行なわれる。
 周錫瑋は2006年に県長に当選し2010年に再選を目指していたが,民意調査の数字が思わしくないとして降ろされ代わって朱立倫が出馬・当選した経緯があり,今回は8年越しのリベンジの様相を呈している。
 民意調査では,依然として侯友宜がリードしているが,侯友宜が比較的藍色が薄いため国民党の支持者の一部が周錫瑋支持に回り,周が徐々に追い上げる展開になっている。これが国民党の不安材料になっている。
 民進党は市選出立法委員の吳秉叡や羅致政ら中堅世代が振るわず,民意調査では前回も出馬した游錫堃や半ば引退の蘇貞昌に期待が集まるという奇異な状況が発生している。ここに来て民進党中央が中堅世代をあきらめ,蘇貞昌擁立に動き出した。
 蘇貞昌は今年71歳。県長在職時代(1997-2004)には旧台北県で広く支持基盤を構築していた。それは10数年前のことであり,いま支持率が高いといっても本選挙で本当に支持を伸ばせるのか懸念もある。新北市選出の立法委員の定数は12名で,そのうち9名が民進党,うち4名が蘇貞昌派(吳秉叡、張陸宏、蘇巧慧、呂孫綾)なので一定の動員力はある。
 一方,民進党はこれまで中堅世代が台頭し党を引っ張ることで成長してきたが,蘇を擁立すればそのイメージにひびく可能性もある。とはいえ,民進党中央としては,新北市で弱い候補を立てた場合のマイナス波及効果も無視できない。蔡政権の不人気で台湾全体で苦戦をしいられることを考えれば,新北市で大物候補をどうしても擁立したい。
 仮に台北市で候補擁立を見送った場合,新北市はどうしても牽引役が必要である。蔡英文としては,蘇はかつて争った党内ライバルであるが,背に腹は代えられない。頼清徳を行政院長に指名したように自分から蘇貞昌に出馬を要請するのではないか。
 TVBSが昨年12月1-6日に行なった民意調査では「侯友宜48%:蘇貞昌39%」であったが,「美麗島電子報」が1月15日に発表した民調では,「侯友宜41.5%:蘇貞昌41.7%」と拮抗している。調査機関が異なるので数字の変化の読みは注意が必要である。
 「最近になって侯友宜の支持率が下がった」と即断することは避けたいが,仮に最近支持率伸び悩みの傾向があるとするならば,侯友宜がいまだに出馬の宣言をしていないこと(副市長として市内を動き回る方が有利だからと見られている),周錫瑋が侯友宜批判を繰り広げていることが影響していると考えることができる。選挙戦の構図は3月末に見えてくるであろう。 (2018年2月17日時点)

《図5》新北市長選挙 侯友宜と蘇貞昌の支持率

(出所)美麗島電子報民調(調査時期:2018年1月10-11日、調査サンプル数:1070)
TVBS民調(調査時期:2017年12月1-6日、調査サンプル数:897)
を参照し筆者作成

   桃園市

 桃園市は本来国民党優勢地区であったが,前回民進党の鄭文燦(得票率51.0%)が国民党現職吳志揚(得票率48.0%)を破り当選した。
 鄭文燦は就任直後から市政の推進および支持基盤の強化で手腕を発揮してきた。市政府には民進党の有能な若手職員が多く起用され,ベテラン官僚との融合を図りながら堅実・スムーズな市政運営ができている。鄭市長は腰を低くし国民党系の団体にも入り込み,国民党系多数の市議会との関係も比較的良好である。TVBSの調査では鄭文燦の満意度は65%と非常に高い(不満意11%,調査時期:2017年12月7-8日)。
 国民党は,陳學聖(立法委員),楊麗環(前立法委員)が出馬に向け活動している。前回鄭に敗れ今回も再出馬が予想された吳志揚(立法委員・比例区)は,2月5日不出馬を表明し,「鄭の経営方式は,国民党はだいたい誰も及ばない」とあっさり負けを認めるような発言をした。 鄭文燦の再選の可能性が高い。 (2018年2月18日時点)

《図6》鄭文燦桃園市長満意度の推移

(出所)TVBS民意調査を参照し筆者作成


   台中市

 台中市は本来国民党優勢地区であったが,前回民進党の林佳龍(得票率51.1%)が国民党現職胡志強(得票率48.9%)を破り当選した。
 林佳龍市長の満意度はあまり高くないが,再選に向け積極的に市政を展開している。昨年11月のTVBSの調査では,満意度42%,不満意度21%であった(調査時期:2017年11月10-15日)。これは,TVBSの全県市長満意度ランキングで19県市のうち14位である。
 林市長は強いリーダーシップを発揮するタイプで,その市政運営は物議をかもすことも少なくない(胡志強時代に開通したBRTの廃止など)。市議会とも時々もめているし,強引という批判も受けやすい。その割には不満意度はそれほど高くはない。これは台中経済が比較的好調で市政に不満をぶつける状況になっていないという林にとって有利な要因もある。
 台湾の専門家筋では選挙になれば林の再選の可能性が高いという見方が多い。実際,昨年7月の「台灣指標民調」では,市長選挙の支持率調査で林佳龍が国民党の潜在候補を大きく上回っていた(林佳龍40.1%vs盧秀燕28.8%,林佳龍42.7%vs江啟臣22.6%,調査時期:2017年7月20-21日,サンプル数:1070)。

 市政奪還を目指す国民党は,現職立法委員の盧秀燕と江啟臣が出馬を表明し,2月初めに党内予備選挙が行なわれた。これは,国民党が委託した民意調査で「林佳龍との比較」(比重85)と「盧と江の直接比較」(比重15)とを組み合わせた計算式で行なわれた。国民党の発表によると,結果は盧秀燕50.308%で,江啟臣の49.692%を上回ったが,その差はわずか0.616であった。江啟臣は即座に敗北を認め盧秀燕への支持を表明したが,あまりにも僅差であるため江啟臣の支持者には受け入れに時間がかかる可能性もある。
 林佳龍にとってどちらが手強いかどちらがやりやすいかといえば,おそらく盧秀燕の方が戦いやすいと思っているであろう。盧秀燕は旧台中市内の選挙区で立法委員当選4回,知名度も高く地元の選挙区経営も周密・熱心なことで知られている。年齢は56歳で若いのだが1994年の省議会議員当選からキャリアが始まっているので大ベテランのイメージがあり,また,親しみもあり,ローカルというイメージもある(イメージがやや固定化していると見る専門家もいる)。
 他方,江啟臣は45歳で54歳の林佳龍より若く,民進党が比較的強い旧台中県の豊原の選挙区で厳しい選挙を戦って当選2回。国際政治学者から閣僚に起用され(新聞局長),立法委員に当選というキャリアは林佳龍と似ている。
 林佳龍にとって警戒を要するのは,国民党にも民進党にも失望した/関心を失ったという選挙民が新しいものに向かう流れである。盧秀燕は藍色がはっきりしているが,江啟臣は国民党色が薄い。盧秀燕の方が知名度が高く実績があり選挙戦の経験も豊富であるが,台湾政治で使われる「爆発力」という用語では,江啟臣の方が潜在的なものを持っていたであろう。
 加えて,台中市は2010年に旧台中市と旧台中県が合併してできたが,旧市と旧県との間には微妙な意識がある。江啟臣の家族は旧台中県を地盤とする国民党系地方派閥紅派である。林佳龍と江啟臣が競えばその意識が刺激され林佳龍にとってやっかいなことになりかねなかったが,盧秀燕との競い合いでは両者とも旧市が地盤なのでその心配はない。
 国民党の党内予備選挙と同時期に行なわれた「美麗島電子報民調」では,「盧秀燕37.6%:林佳龍35.8%」という数字が出た(調査時期:2018年2月1-2日,サンプル数:1073)。これは国民党にとって勇気づけられるデータであるが,注意が必要だ。つまり,片方の党で予備選挙を繰り広げていると関心が上がり片方の支持率に反映されることはよくあることで,それが一時的な上昇に留まることもよくあることだからである。両者の支持率については,今後発表されるデータを待ちたい。
 これから9か月,林佳龍の市政運営が重要になってくる。台中では大気汚染が市政の重要イシューとして浮上している。台中市は火力発電所が多く,市の対策と蔡政権のグリーン・エネルギー政策とが絡んできている。他方,台中のような藍緑の間にある都市では,蔡政権の満意度の低迷がどのように影響するのかも観察が必要だ。 (2018年2月18日時点)

《図7》林佳龍台中市長満意度の推移

(出所)TVBS民意調査を参照し筆者作成

《図8》台中市長選挙:林佳龍と盧秀燕の支持率

(出所)美麗島電子報民調(調査時期:2018年2月1-2日、サンプル数:1073)
台灣指標民調(調査時期:調査時期:2017年7月20-21日、サンプル数:1070)
を参照し筆者作成

   高雄市・台南市

 両市では現在,民進党の市長候補を決める党内予備選挙が進行中。 党が委託する民意調査が3月5-9日に実施され,3月14日に結果が発表される。民進党の公認候補となった人物が11月の本選挙でも当選確実なので,予備選挙が事実上の決戦の舞台となり,党内の競争が激烈になっている。 予備選挙終了後に改めて分析したい。 (2018年2月18日時点)



2.他県市の序盤情勢

   準備中


3.地方選挙の勝敗パタンと台湾政局への影響

 11月の県市長選挙について,可能性のある勝敗パタンを【仮想1】から【仮想7】まで7分類しその影響を整理した。これは2月20日時点での初歩的な整理にすぎない。また,%の数値は可能性の大小を示す大雑把なメドにすぎない。
(注1)勝ち負けの判断は前回が基準になるが,前回は国民党の歴史的大敗であることに注意。
(注2)「民進党何席,国民党何席」という数よりも得票総数の方が重要であるが,メディアや一般においては「数」で議論される。
(注3)花蓮県は前回は無所属の傅崐萁が当選。今回は傅の妻が国民党籍で出馬し当選の可能性が高いので,国民党は1席増える見込み。
(注4)現状では宜蘭県は民進党が落とす可能性が高い。民進党は1席減らす見込み。


【仮想1】 5%
民進党が現有県市を守ったうえに新北市を取った場合(宜蘭県が国民党,台東県が民進党に代わった場合も含む)。
→民進党の大勝利。2020年の蔡英文再選は決まったも同然,柯文哲の挑戦もない。呉敦義は辞任せざるをえず国民党は再び混乱へ。

【仮想2】 10%
民進党が新北市を取るも,国民党が宜蘭県,澎湖県,嘉義市などで1~3つを取った場合(台東県が民進党に代わった場合も含む)。
→獲得県市数では民進党が減らすことになるが,人口最多の新北市での勝利は非常に大きいので,民進党の大勝利。仮想1と同じ流れになる。

【仮想3】 5%
前回とまったく同じ場合(宜蘭県が国民党,台東県が民進党に代わった場合も含む)。
→花蓮県も加えれば国民党が1増えるが,呉敦義体制が継続するか微妙。民進党の勝利。蔡英文再選確実の流れで柯文哲の挑戦もない。

【仮想4】 20%
六都は前回とまったく同じ,しかし民進党が宜蘭県,澎湖県などで純減で1~2つを失った場合。
→花蓮県も加えれば国民党が2~3増えるので国民党にとっては一息つける展開。呉敦義体制継続であろう。しかし実質的には前回とほとんど同じ結果で,民進党有利。蔡英文再選確実の流れで柯文哲の挑戦もない。

【仮想5】 35%
六都は前回とまったく同じ,しかし民進党が宜蘭県,澎湖県,嘉義市などで純減で3つを失った場合。
→国民党にとっては花蓮県も加えれば4つ増えるので勝利(気分的には大きな勝利),呉敦義続投。得票総数も接近。民進党にとってはおもしろくはない結果だが,2020は蔡英文vs呉敦義の対決となりこの構図は蔡に有利。とはいえ平坦な道ではない。両党への不満を見ながら柯文哲が機会を伺う(出馬する可能性はある)。

【仮想6】 20%
六都は前回とまったく同じ,しかし,国民党が宜蘭県,澎湖県,嘉義市,彰化県,基隆市,新竹市,雲林県などで4つ以上を取った場合。
国民党が県市の数で民進党を上回り,得票総数でも民進党と並び,台湾メディアでは民進党敗北と書かれる。蔡英文に対する批判が高まり2020選挙情勢は流動化する。柯文哲出馬の可能性が出てくる。

【仮想7】 5%
国民党が六都のうち新北市を守ったうえで台北市または台中市または両方を取り,その他に宜蘭県,澎湖県,嘉義市,彰化県,基隆市,新竹市,雲林県などで4つ以上を取った場合。
→民進党大敗北,蔡英文は党主席辞任となる。国民党が得票総数でも民進党を上回り復活。2020年政権交代の流れになる。

【まとめ】
まとめると,仮想1-4は民進党勝利で計40%,仮想5はあいまいな結果で35%,仮想6-7は民進党敗北で計25%。民進党は前回の「貯金」がきいているので数字の上では有利だが,蔡政権の満意度の低迷がどう影響していくのか見えてくるのはこれからである。 (2018年2月20日時点)

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